「自測自健(じそくじけん)」のススメ

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【40代から考えたい、健康寿命の伸ばし方】ワーカホリックだった堀潤さんが、「健康」に目覚めたワケ

  いつまでも健康に若々しく過ごしたい、と誰もが思うもの。しかし、年を重ねると確実に体の老化は始まります。老化に影響するのは、生活習慣。
 元NHKアナウンサーで、現在ジャーナリスト・キャスターとしてテレビ番組の司会や、ラジオのほか、NPO法人「8bitNews」の運営など多岐にわたって活動している堀潤さん。7月に40歳を迎え、健康への意識が大きく変わったと言います。

1日20時間の労働を続けること16年

――これまで、健康を意識したことはありますか?
 健康については無頓着でしたね。いつ死んでもおかしくないじゃないかって周りから言われるくらいのワーカホリックでした。朝は月~金の生放送のテレビ番組「モーニングCROSS」があり、日中に取材して、収録して、夜また番組がある。NPOや、新しく立ち上げた会社の運営もあって、24時間中20時間を労働にあてていたんです。NHK職員時代も労働基準監督署から「堀さん働き過ぎじゃないですか」って連絡が来るくらいでしたね(笑)。徹夜でも全然大丈夫。社会人になってから16年くらい、長時間労働は続いていました。

――健康診断は受けていましたか?
 職員時代は定期的に健康診断がありましたが、4年前に辞めてからは忙しくて行けなかった。38歳くらいになって「疲れるな」と感じるようになり、人間ドックを受けました。幸い、重篤な病気につながるような要素は見つからなかったけれど、コレステロール値などが高くて、「もう一度検査して下さい」と言われましたね。

――意識が変わったきっかけは何ですか?
 40歳になったことも大きいですが、身の回りにガンで亡くなる方や、急に心を病んでしまう方、同世代や少し上の世代で体調を崩す方が増えてきたのがきっかけですね。それに、コレステロール値を正常化するには生活改善がよいと聞いていたし、僕の周りには働き盛りの30代や40代が多いので、「働き方改革」の名のもとに、一緒に健康維持と減量、食生活改善に取り組み始めました。

ウーマンラッシュアワーの村本さんとダイエット競争

――具体的にはどのようなことをしていますか?
 一つ目は体重を毎朝測ること。もともと太りやすい体質なんですが、太ったと思っても測るのが怖かった。今、お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔さんとダイエットに取り組んでいます。体重計の数値を写真に撮ってLINEで共有することで、習慣的に測れるようになりました。村本さんと励まし合いながら、お互いのベスト体重を目指しています。僕のベスト体重は65キロで、今75キロくらいだから、あと10キロ落とすことが目標ですね。
 二つ目はランニング。個人的には朝晩5キロずつ計10キロ走っています。それから一緒に番組をやっている共演者、マネジャーと共に「走る部」を立ち上げました。番組が終わった後に、週2回約5キロのランニングをするんですが、僕らが走っていることを聞きつけたディレクターらも加わって、少しずつ人数も増えています。

ダイエットのために野菜嫌い、スナック菓子好きを返上

――食生活についてはどんな取り組みをしていますか?
 毎日体重を記録していると朝500グラム増えていることがあって、今日は軽く済まそうと思うようになりました。あとは食べる順番にも気をつけるようになりましたね。実は今まで野菜を食べてこなかった。味がしないし、かむことすら面倒臭かったんです(笑)。でも、血糖値が急に上がらないようにサラダから食べるようにし、肉や魚などのたんぱく質、炭水化物の順で食べるように。炭水化物はその後のランニングで燃焼できるくらいの適量をとるようにしています。間食も控えていますね。もともとスナック菓子が大好きだったんですが、今はジムのトレーナーさんの指導のもと、スナック菓子はやめて煎っただけのアーモンドを口にしています。

――食事は血圧にも大きく関わってきます。血圧は気にしていましたか?
 今までは永遠に健康だと思っていたので、全く気にしていませんでした(笑)。筋トレやストレッチのため、ジムに週3、4回のペースで通っているので、トレーニング前には必ず測定しています。トレーナーさんに「ちょっと高めですね」と言われていましたが、最近は「これくらいならちょうどいいですね」と言われるようになりました。

睡眠2、3時間の毎日で壊れる!?

――睡眠時間はやはり短かった?
 これまで朝5時から夜11時半くらいまで仕事で、自宅に帰った後も仕事。睡眠時間はだいたい2、3時間でした。「僕、完全に壊れてるじゃん」と思いましたね(笑)。頭が働いているかっていうと気力だけで支えている状態。それを何とか覚醒させていました。最近は必ず11時半か12時には寝るようにしています。運動もしているので自然に眠たくなるし、5時間の睡眠時間を確保できると、頭の働きが違いますね。

毎日10キロのランニングで体の変化を実感

――自身の「働き方改革」を実践して、どのような効果がありましたか?
 ランニングをすることで、時間の使い方を見直せました。5キロを30~40分で走る。帰ってシャワーを浴び、着替え終わるまでトータル1時間10分くらい。隙間時間をあてました。無理だと思っていたことが、やってみたら「なんだできるじゃん」て(笑)。
 惰性的に仕事をし続けるのはやめて、一日どこかに区切りを付ける。そうすることで、その時間を創造の時間にあてられるようになりました。僕にとっては次のプロジェクトや取材について考えられる時間ですね。それに、毎日ランニングを続けることで、自分の体の状態がわかるんです。例えば、今日は首のあたりが重たいとか、昨夜飲んだお酒が腰のあたりにきているなとか、今日はこれくらい走っても体が軽いなとか。小さな変化に気づけるようになりましたね。

――10年、20年後にどんな体になっていることが目標ですか?
 そうですね、20代、30代の頃はアクセルベタ踏みというか、120キロ出せる車だったら、140キロ出せるようにと思って働いていました。馬力だけで乗り越えてきたけれど、これからは乗っている車をうまく乗りこなせるような、味わいのある働き方をしたい。そのためには、がむしゃらに突っ走っていた日常を一回止めて、じっと考えてみる時間が必要です。今やっている仕事をいったん止めてランニングしたりジムに行ったりするのは、自分の時間を確保するために重要だと思っています。それが体のメンテナンスや働き方改革につながり、やがては物事に深みを持って向き合えるような円熟した仕事ができるようになると思うんです。
 いざというときに、体調を崩して最前線に立てないのは悔しい。アクセルを踏んだらちゃんと馬力が出るような体にしておきたいですね。

   

プロフィール

堀 潤

1977年兵庫県生まれ。ジャーナリスト・キャスター。立教大学文学部ドイツ文学科卒業後、2001年、NHKに入局。アナウンサーとして報道番組を担当。2012年、NPO法人「8bitNews」を立ち上げ、2013年にNHKを退局。淑徳大学人文学部の客員教授も務める。

自測自健とは

自分の体の状態を自分で測る。健康を保つための新習慣を考える

健康状態を知るためには、血圧や体重、体脂肪率など、さまざまなデータを測ること。
しかも、人間ドックや健康診断の時ではなく、毎日「自分で測る」ことが大切です。

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