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血圧を下げるのに効果的な食事の内容と6つのポイント

 高血圧になると、生活習慣病やそのほかの病気を発症するリスクが増えます。改善策の一つとして食事の改善が挙げられます。塩分やアルコールの取りすぎに気をつけ、ミネラルや良質なタンパク質を正しく摂取することが血圧のコントロールに繋がります。今回は、血圧を下げるのに効果的な食事の内容やメニュー、そして食事に関する6つのポイントをご紹介します。

監修者プロフィール

伊藤メディカルクリニック院長
伊藤 幹彦 先生

東京医科大学卒業後、東京医科大学第2外科(心臓血管外科)入局。東京医科大学八王子医療センター心臓血管外科や東京警察病院外科医長などを経歴し、現在は伊藤メディカルクリニックの院長を務める。これまでの術者としての経験をもとに、全身管理の大切さをモットーとし、健康維持への貢献を目指している。

 高血圧になると様々な病気のリスクが増えますが、血圧を下げる方法として、食生活の改善が挙げられます。食事は空腹を満たすだけではなく、食材に含まれる栄養素を取り入れることで、体調を整える役割も果たしています。今回は、血圧を下げるための食事内容やポイントをご紹介しますので、生活の中に取り入れてみてください。

血圧が上がる原因とは?

 血圧が上がる原因はいくつかありますが、そのほとんどが食習慣や生活習慣に関係しています。具体的に血圧が上がる原因をいくつかご紹介しましょう。

・塩分の過剰摂取
塩分を摂取し過ぎると、血液の中に「ナトリウム」が溜まっていきます。ナトリウムの量が多くなると、ナトリウム濃度を水分で調節しようとする働きが体の中で起こります。すると、循環血液量が増え、血圧が上がってしまうのです。動脈硬化の促進にもなり、脳卒中や心筋梗塞などのリスクも高まります。

・ストレス
ストレスを感じると交感神経の働きで血管が収縮し、血圧が一時的に上がると言われています。一般的には時間経過とともに血圧は正常に戻りますが、65歳以上の高齢者やメタボリックシンドロームなどの方は注意が必要です。

・肥満
肥満は血圧を上げる危険因子の1つとされています。中でも「内臓脂肪型肥満」は血圧が上がりやすく、体重を減らすと血圧が下がるという報告もあります。また、心臓から血液が送られてくるときの「血液量」は、体重に比例して増えるので、肥満になると心臓に大きな負担がかかってしまいます。

・アルコール
お酒を多量に摂取すると血圧が上がってしまいます。嗜む程度であれば問題はありませんが、過度に飲酒をする人は注意が必要です。

・タバコ
タバコを吸うと血圧が上がってしまいます。さらに心筋梗塞や狭心症の原因となる「動脈硬化」になるリスクも増えます。

血圧を下げる6つの食事方法

 血圧は食事内容が大きく関係しています。適切なエネルギー摂取によって、高血圧を予防・改善することもできるので、食事方法に注意をして血圧をコントロールしましょう。

1.塩分を減らす
厚生労働省は1日の塩分摂取量の基準を「成人男性8g未満・成人女性7g未満」としています。ただ、高血圧の場合には1日の塩分摂取量を「6g未満」にしてください。塩分の摂取量を減らすには、食品の選び方と調理の工夫がポイントとなります。

 食品は、加工食品や練り製品、干物、漬物、佃煮などの塩分が多いものは避けましょう。 また、食塩を減らすための工夫として、天然の出汁を使った薄味でも風味のある食事などが考えられます。食塩の代わりに、「香辛料」を使ったり、ねぎ、しょうが、しそなどの「香味野菜」を取り入れたりするのもいいでしょう。

2.ミネラルをたっぷり摂取
普段の食事の中で、「ミネラル」を意識的に摂取している方は多くないでしょう。「カルシウム」「マグネシウム」などのミネラル類は、血圧を調整する効果があるので、積極的に摂取しましょう。カルシウムは「乳製品」から、マグネシウムは「胚芽米・胚芽パン」などから摂取できます。ミネラルの1種「カリウム」は、ナトリウムを尿の中に排出してくれるので、野菜・果物・海藻などから摂取しましょう。ただし、腎機能が低下している方は注意が必要になります。腎臓がうまく働いていないと、カリウムを十分に尿として排泄することができないからです。その結果、高カリウム血症になる恐れがあります。高カリウム血症は心停止にも至る危険な病状です。少しでも心当たりがある方は気をつけましょう。また、果物は「果糖」という糖分がたくさん含まれており、食べ過ぎると肥満の原因になるので注意してください。

3.糖分・油分を摂取しすぎないようにする
「糖分・油分」を摂取しすぎないように意識して、ゆっくりと時間をかけて食べるように意識しましょう。空腹時などにいっきに食べると、血糖値を下げるために血中の糖分を脂肪に変える「インスリン」が過剰に分泌されます。すると必要以上に脂肪が蓄積され、肥満の原因となってしまいます。肥満は高血圧の原因にもなりますので、適正な体重を維持できる食事を心がけてみてください。

4.外食や市販の総菜に注意
外食や市販されているお弁当・総菜は、その場で原材料が確認できるようにメニューやラベルに明記されているので、必ずチェックしましょう。もし外食やお弁当を食べるときには、塩分量が多く油分も多い加工食品を使ったもの、下味の濃いものは選ばないようにし、麺類を食べるときは汁を飲まないようにするなど、普段の食事から意識し工夫しましょう。

5.アルコールに注意
アルコールをたくさん摂取すると、血圧を上げる原因になります。男性は1日にビール500ml缶1本、日本酒1合、焼酎半合弱、ウイスキーダブル1杯、ワイン2杯弱」以下を目安に、女性は男性の半分を目安にして飲むようにしましょう。

6.良質なタンパク質を摂取
赤身の肉、魚類、大豆製品、卵、牛乳などには良質なタンパク質が豊富に含まれています。血管を丈夫にしてくれるので、血圧をコントロールしやすくする効果が期待できます。ただし、血中コレステロールが多い人は、肉や乳製品をたくさん摂取することを避けるべき場合があるので、医師に相談をしてください。

血圧を下げるおすすめメニュー

 血圧を下げるのに効果的なおすすめメニューの例をご紹介しますので、献立の参考にしてみてください。

・玉ねぎとトマトの簡単サラダ
玉ねぎとトマトには「カリウム」が豊富に含まれていますので、好きな大きさにスライスしてください。そこに血圧を下げる作用を持つ「お酢」と「オリーブオイル」を加えてマリネ風のサラダにします。

・牛肉と野菜の炒めもの
牛のもも肉(薄切り)には、良質なタンパク質が豊富に含まれています。油分の少ない「もも肉」を使って、カリウムが豊富なお好きな野菜と一緒に炒めるだけでOKです。調味料には食塩を使わず、お酢、しょうゆ、砂糖などで味付けをすると血圧に良いメニューの完成です。

・青魚のお酢煮
イワシ、サンマ、アジなど(DHAが豊富です)好きな青魚と、血圧を下げる作用がある「お酢」を一緒に使った煮魚メニューです。生姜、しょうゆ、酒、みりん、お酢を使って味付けをして20分ほど煮込めば完成です。

・カリウムたっぷりスープ
トマト、玉ねぎ、赤パプリカ、キュウリなどカリウムが含まれるお好きな野菜をミキサーにかけ、にんにく、お酢、オリーブオイル、水、胡椒などで味付けをして完成です。そのままでも温めてもおいしくいただけます。

・薬味で美味しい豆腐サラダ
良質なタンパク質が豊富に含まれる豆腐と、血圧を下げる作用のあるオリーブオイル、そして生姜、ねぎ、しそなどお好きな香味野菜などを使って、ヘルシーな豆腐サラダの完成です。もちろんここに、カリウムが豊富な野菜をプラスしてもOKです。

血圧を上げない食事方法で健康的な体をキープ

 血圧を上げないためにできる「食事方法」をうまく活用して、血圧をコントロールしていきましょう。健康的な体をキープするためには、血圧が上がらないように意識をして、食生活を見直すことが重要なポイントです。自分のためにも、そして家族のためにも健康でいられるように、今回紹介した食事を実践してみてください。

自測自健とは

自分の体の状態を自分で測る。健康を保つための新習慣を考える

健康状態を知るためには、血圧や体重、体脂肪率など、さまざまなデータを測ること。
しかも、人間ドックや健康診断の時ではなく、毎日「自分で測る」ことが大切です。

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