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【チェックリスト付き】あなたは大丈夫? 働きざかり世代と高血圧

3人に1人が高血圧の時代。忙しい40〜50代は未受診が多い!?

 高血圧患者は全国に約4000万人、日本人の3人に1人の割合です。厚生労働省の調査によると、これら高血圧患者のうち、病院に通って継続的な治療を受けているのは約1000万人のみ。約1000万人は病院に行かずに非薬物療法などで治そうとしていて、残りの約2000万人は、なんと病院にも行かず高血圧を放置している状態です。働き盛りの皆さんは「高血圧なんて自分には無関係」と思っていませんか。実は、未受診者の中で一番多いのが、40~50代。NIPPON DATA 2010の調査によると、50歳未満の高血圧患者は約780万人もいるのです。

高血圧とは?
日本高血圧学会の定義では、「血圧の値が収縮期血圧/拡張期血圧のどちらか一方、 あるいは両方が140/90mmHg以上になる病気」とされています。

高血圧はどうして起こる? まずは、高血圧の2大タイプを知ろう

 さて、一口に高血圧といいますが、高血圧には大きく分けて二種類あります。
 まず、患者全体の約1割に当たる二次性高血圧。おもに睡眠時無呼吸症候群や腎臓病、ホルモンの病気などが原因となって引き起こされる高血圧で、もととなる病気を解消・治療すれば血圧も下がることがほとんどです。

 一方、全体の9割をしめる本態性高血圧は、原因がハッキリ特定できないもの。ストレスなどの環境要因や民族・人種による体質、遺伝など、複合的な要因が組み合わさって引き起こされる高血圧と言えます。この本態性高血圧は、生活習慣の乱れや加齢などが積み重なったものですから、だいたい50代から70代くらいで発症するケースが多い。なので、若い人で高血圧というと、まず二次性を疑います。問診や血液検査、尿検査、ホルモンのスクリーニング検査などで、原因を特定しますが、50歳未満の高血圧の中で二次性高血圧は2~3割でしょうか。

 

「ナトリウム量=塩分相当量」は間違い! 正しい減塩で高血圧を予防・改善しよう

 40~50代というと、仕事や育児、親の介護などに追われて忙しい世代。会社の健康診断で血圧が高いと言われても、病院に行く時間がないからと、ついつい後回しにしてしまっていませんか。高血圧を放置すると、血管がどんどん硬くなり、脳卒中や心筋梗塞などの合併症が起こる危険があります。何年か前に、ミュージシャンの星野源さん(36)も、くも膜下出血を起こされましたね。

 働き盛りの皆さんが突然の病気で倒れないために、高血圧を予防・改善するにはどうしたらいいでしょうか。まず、第一に減塩です。厚労省の基準では、1日の塩分摂取量は男性8g未満、女性7g未満(日本高血圧学会の推奨ではともに6g未満)です。

 私たちが普段摂取している塩分のうち、半分が塩・みそ・しょうゆから、残りの半分がその他の加工食品から、と言われています。調理時の減塩はもちろん、加工食品を買う際にも、栄養成分表示で塩分量をチェックするようにしましょう。「ナトリウム量=食塩相当量」と思いがちですが、これは大きな間違いで、実は「ナトリウム1g=塩分2.5g」に相当します。栄養成分表示を正しく見極め、食品選びの参考にしてください。また、忙しいからといって市販の総菜や外食ばかりというのも考えもの。外食や市販の食べ物には、塩分が多く含まれています。

 小さいお子様がいらっしゃる方は、スナック菓子の与えすぎに注意しましょう。スナック菓子に含まれるカンゾウ(甘草)という成分は、塩分をため込み、血圧の上昇を促進させてしまいます。自身の健康だけでなく、家族の健康も考えて、毎日の食事を見直したいですね。

 そのほか食事で気をつけたい点は、飽和脂肪酸を多く含む動物性脂肪を避け、植物性脂肪を摂ること。また、繊維質のものや、カルシウムを含む乳製品、カリウムを含む果物など、血圧を下げる働きがある食品を摂ることです。

「ビールもう1杯」はどこまでOK? お酒やストレスと血圧の関係

 働き盛りの皆さんは、仕事後に同僚と「ちょっと一杯」なんてことも多いでしょう。お酒を飲むと血管が開き、一時的には血圧が下がります。しかし慢性的な飲酒は、交感神経を活発化し、結果的に血圧を上げてしまいます。高血圧学会のガイドラインでは、男性の場合、1日のアルコール摂取許容範囲が、ビールなら500ML缶を1缶、ワインならグラス2杯、ウイスキーならダブル1杯(またはシングル2杯)、日本酒なら1合までとされています。

 職場では、精神的なストレスや、パソコンのブルーライトによる身体的ストレスなどに絶えずさらされますよね。こうしたストレスは、脳の交感神経中枢を刺激し、全身の血管をキュッと締めてしまいます。すると、血管が緊張した状態が続き、血圧が上がってしまいます。マッサージを受けたり、好きな音楽を聴いたり、ストレスから解放される時間を持つことを心がけましょう。また、血圧を上げないためには、運動習慣も大切。ウォーキングやジョギングなど、毎日30分の有酸素運動を習慣化したいですね。

あなたは大丈夫? 働き盛り世代に忍び寄る高血圧の危険度をチェック

 最後に、働き盛り世代のためのチェックリストを以下に用意しました。20個の項目のうち、10個以上当てはまったら、あなたは高血圧であるか、高血圧予備軍の疑いがあります。10個以上当てはまったという方は、ぜひ家庭血圧計を買って、毎朝血圧を測ってみてください。日々の数値を記録し、「今日はちょっと高めだから塩分控えめの食事にしようかな」というふうに、血圧値を毎日の健康のバロメーターのひとつとして活用していただければと思います。

   

プロフィール

医学博士 市原淳弘(いちはら・あつひろ)

1986年慶應義塾大学医学部卒。慶應義塾大学准教授などを経て、2011年に東京女子医科大学内科学主任教授に就任。高血圧や内分泌疾患の専門医として減塩食の監修、市民向けの講座などにも関わる。

自測自健とは

自分の体の状態を自分で測る。健康を保つための新習慣を考える

健康状態を知るためには、血圧や体重、体脂肪率など、さまざまなデータを測ること。
しかも、人間ドックや健康診断の時ではなく、毎日「自分で測る」ことが大切です。

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