「自測自健(じそくじけん)」のススメ

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[PR]働き世代に忍び寄る「職場高血圧」「仮面高血圧」健康なうちから考えたいキャリアとヘルスケア

10月9日に東京の有楽町朝日ホールで開かれたBP365運動スタートフォーラムでは、「自測自健な働き方について」をテーマとしたパネルディスカッションが行われました。5名のパネリストが、経営、脳科学、医療、IT、健康機器など、それぞれの専門分野から、働き方と健康について提言。働き世代を中心とした20~70代の来場者観客と一緒に考えました。万病の元となる高血圧が、働き世代にも忍び寄っている現在。いつまでも自分らしく元気に働くためには、どのようにヘルスケアと向き合えばいいのでしょうか。

パネリスト
村上 憲郎氏 (元Google米国本社 副社長)
茂木 健一郎氏 (脳科学者)
大久保 孝義氏 (帝京大学医学部衛生学公衆衛生学講座主任教授)
濱松 誠氏 (One JAPAN 共同発起人・代表)
江田 憲史氏 (オムロン ヘルスケア株式会社 執行役員 経営統轄部長)
司会:八木早希さん (フリーアナウンサー)

70%達成ならOK?
これからの時代の働き方とは

八木 早希さん(以下、八木):常識では想像ができない時代がやってくるこれから、私たちはどのようにライフイベントに向き合い、そして働き方を考えていけばいいのか。ヒントを得ていただけるようなフォーラムになればと思います。

まず、「これからの時代の働き方」というテーマから参りましょう。村上さん、ご自身のキャリアを振り返って、40代にされていたことが今に生きているな、ということは何かありますか。

村上 憲郎氏(以下、村上):私は41歳のときに、アメリカから帰国しました。5年間のアメリカ生活で学んだことはたくさんあるのですが、「働き方」という観点でいえば、「物事の70%くらい達成したら、もうOKなんじゃないの」という考え方ですね。

日本人は、何としてでも100%まで完成させようと思ってしまうところがあるでしょう。でも、物事の60%くらいを達成するのに必要だった労力を2倍、3倍に増やしても、実は達成度は8割、9割くらいにしかいかないんですよ。そうすると生産性が、0.6から、0.4、0.3と見る見る落ちる。昨今、働き方改革が叫ばれていますが、「100%にするためにがんばっているその労力を、他のところにかければ、0.6を維持できるのにな」と思います。

私はこれこそが、アメリカ5年間で学んだ最高の原理原則だと思っています。これを身につけたせいで、「村上はもともといい加減だったけど、アメリカから帰ってさらにいい加減になったな」なんて言われるようになったんですけどね(会場笑い)。

八木:「100%までしっかりねじを締めるのが美徳」というような考えが日本にはあると思うのですが、70%でいいんだ、というのは意外でしたね。茂木さんはいかがでしょう。

茂木 健一郎氏(以下、茂木):40歳というのは人生の折り返し地点ですよね。みんな、人生に慣れてきちゃうのが一番の問題。「自分はこういう人間だ」と決めつけて、新しいことをやらなくなっちゃうんです。

認知症予防という観点からしても、新しいことにチャレンジすると、ドーパミンが出て報酬系の活動が促される。ですからみなさん、健康寿命をのばすために、今までの自分らしくないことをしましょう!

「大企業病」にメス!若手が起こす、企業の垣根を超えたイノベーション

八木:私自身の話をしますと、新卒でテレビ局のアナウンサーになり、時には昼夜の長時間勤務もこなしながら、10年間一生懸命に働いて参りました。自己実現という意味では、会社はとても素敵な場所ではありましたが、10年の節目を迎え、ワークライフバランスを考えたときに、退社しフリーランスになるという道を選びました。昨年37歳で出産し、ライフという部分に重点を置いた働き方を模索しているところです。

さて、次は若者代表にお話をうかがいましょう。今まさに会社員として働き、大企業にいながらまた違った枠組みを提案している濱松さんです。

濱松 誠氏(以下、濱松):私は新卒で電機メーカーに入社し、営業、人事、ベンチャー企業への出向などを経て、今はIoT家電の事業に取り組んでいます。現在34歳ですが、大企業で働きながら、2足3足のわらじをはいて活動しています。

まず社内では、縦横斜めをつなぐ活動を7年ほど続けております。若手やミドル、社長まで2500人から3000人ほどを巻き込み、交流会や勉強会などを主宰するほか、卒業生のネットワーク作りなどに取り組んでいます。

また、社外の同世代と交流する中で見えてきた問題を、企業や業種を超えて一緒に解決しよう、という思いから、若手中堅有志団体のコミュニティ「One JAPAN」を昨年立ち上げました。俗に「大企業病」などと言われる大企業に共通する問題、例えば「空気を読まなければ」という同調圧力やモノカルチャーな社風などですね、こういうものをガラリと変えていこうということで、約1000人のメンバーと様々な活動をしています。

共創、新しい働き方の推進、メディアでの発信を3つの柱に、生産性を上げるマインドフルネスのロボットを作るプロジェクトや、企業のリソースを使った地域活性のプログラムなどをスタートさせたほか、1600人の若手中堅社員へアンケートを行い、働き方の意識調査などを行っています。

このような活動を通して、仲間たちの中から、「企業の垣根を越えて、したいプロジェクトができるようになった」「モチベーションが上がった」などという声が上がってきました。

それから、私、婚約をしまして、今週末に籍を入れるんですが(会場拍手)、健康でないとパートナーとも支え合うことができないですよね。健康であり続け、自分を応援してくれるパートナーや家族、仲間と一緒に、やりたいことを実現していきたいと思っています。

放置すると認知症のリスクも!
増加する50代男性の高血圧

八木:ワークライフバランスを考えると、健康であることが第一歩ですよね。これからの時代、その健康をどのようにマネージメントしていけばいいのでしょうか。専門医でいらっしゃる大久保先生にその辺りのお話をしていただければと思います。

大久保 孝義氏(以下、大久保):血圧の測り方、血圧を測る意味について話していきたいと思います。性・年代階級別高血圧の推移をみると、男女ともに年齢が上がるほど高血圧の人の割合も増えていくんですね。また、近年、女性の高血圧は減ってきているんですが、男性、中でも50歳代の男性の高血圧が増えてきているというのが分かります。

この要因として考えられているのが、肥満ですね。かつては塩分を多く摂るために血圧が上がるという人が多かったのですが、最近は肥満による高血圧が中年の男性に増えてきているんです。

中年期の高血圧がどうして問題なのかと言いますと、中年期の高血圧が、脳心血管疾患などによる死亡の大きな要因になっているんです。そして認知症も、実は加齢を除くと最大の危険因子が高血圧。140mmHg以上の血圧を放置すると、将来的に認知症になるリスクが3倍以上になるというアメリカの研究データも出ています。

接客や介護のストレスで血圧が跳ね上がる?!働き世代に忍び寄る「職場高血圧」

大久保:では、次に「職場高血圧」の話をしたいと思います。「職場高血圧」とは、端的にいいますと、日中、職場での血圧が高い状態ですね。これは職場のストレスの影響であると言われています。

ある20代の男性で、休日は上の血圧が140~150mmHgくらいで落ち着いているけれども、労働日に測ると、なんと200~250mmHgくらいになる、という方がいました。この方は接客業だったんですが、接客のストレスが血圧に如実に現れています。

また50代の主婦で、旦那さんが入院されている方がいらっしゃいました。この方、旦那さんが入院中は標準並みの血圧だったんですが、旦那さんが退院して在宅看護が始まると、一気に血圧が上がってしまった。

「亭主元気で留守がいい」と言いますが、「亭主元気じゃなくても留守がいい」と言えるかもしれませんね(会場笑い)。このように、介護する側のストレスも今問題になっていて、これも一種の職場高血圧と言われています。

後述する「大迫(おおはさま)研究」から、日中、起きている時間の血圧が高ければ高いほど、脳出血の死亡リスクが高い、ということがわかっています。職場高血圧をしっかり管理することが重要なのです。

毎日、決まった時間にチェック!
家庭での血圧測定から見えること

大久保:さて、今日の本題、家庭血圧測定の重要性について、お話ししましょう。

「大迫研究」という研究があります。大迫町(現・岩手県花巻市)の一般住民を対象とした30年に及ぶ追跡研究です。この研究でわかったことは、診察室で測る血圧よりも家庭で測る血圧の方が、将来の脳卒中の発症をよく予測する、ということ。

上の家庭血圧が135mmHg以上になりますと、脳卒中のリスクが2.86倍になります。そこで、家庭血圧で135/85mmHgを超えると高血圧ですよ、というのが、現在、日本だけでなく世界のガイドラインで採用されています。

一方、家庭血圧が高くて、診察室での血圧が正常である、「隠れ高血圧」、「仮面高血圧」という症状もあります。こういった方は、家庭血圧と診察室の血圧、どちらも正常な人と比べ、脳卒中のリスクが2倍以上ということも分かってきました。こうしたことは、家庭血圧を測らないと発見できないんですね。

さて、家庭血圧ですが、測定し続けることで、生活習慣改善の効果があることがわかっています。先ほどの大迫町は、町ぐるみで健康管理に気をつけていて、家庭での血圧測定をもう30年も続けているんですが、その結果、なんと、住民全体の脳卒中の発症率が低下してきました。もともと脳卒中の発症が多い地域だったんですが、毎日血圧を測ることで健康意識が変わり、高血圧を早期に発見し、早期に治療を開始したことが大きく貢献しているのではないかな、と思います。

また、体重を減らしたり、お酒を減らしたりすることで血圧が下がると、測定のモチベーションにもつながりますよね。日々のヘルスケアのために毎日血圧を測定していただければ、日本人全体の健康寿命が伸びるのでは、と思います。

血圧は健康の成績表。
「全社員が家庭で測定」という取り組みも

八木:血圧が認知症にまで作用するというのは知りませんでした。血圧を測ることで自分の健康をマネージメントしていく、という考え方がとても大事なんだなと改めて認識しました。実際に自測自健を実践されている茂木さん、いかがでしょうか。

茂木:僕は2010年の年末、すごく忙しくて調子が悪くて。血圧を測ってみたら、ものすごく高くてびっくりしちゃって、年明けからウォーキングを始めたんですよ。東京駅から自宅まで2時間半かけて歩いたり、今でも毎日10km走ったりしています。

運動するとやはり血圧が落ち着くんですよ。血圧は、自分がどれくらい健康に気を使っているか、という成績表みたいなところがありますね。

八木:自分の健康の成績表である、血圧を知るか知らないかで大きく差が出てくるというわけですね。
それでは、医療機器メーカーのオムロン ヘルスケアさんはどういう社内取り組みをされているのか、具体的にお話しいただきたいと思います。江田さん、お願いします。

江田 憲史氏(以下、江田):弊社では、「ゼロイベント」という運動を行っています。イベントというのは、死亡や寝たきりの原因となりうる、脳卒中や心筋梗塞のことを言います。そのような重篤な疾患をゼロにしようという思いで進めています。

第一歩として、「オムロンゼロイベントチャレンジ」として社員が家庭で血圧を測定し、全員の血圧を135/85 mmHg未満にしようという目標を掲げています。今年6月に血圧計を全社員約650人に配り、毎日測定してもらったところ、全員の平均値は基準値を下回りました。

一方で、仮面高血圧の存在も浮かび上がりました。1年前、2016年の検診では正常値とされていた者のうち、41人が家庭で測定すると血圧が高かったのです。

血圧は見えない、感じないものですから、変化しているということが分からないんですね。でも実は、心拍一拍ごとに血圧も変動しているというのが実態なのです。だから、毎日測定して高血圧のリスクを認識することが、皆さんの健康を管理する上で非常に重要です。今回、30代の若年層でも8人の仮面高血圧がいたということで我々も危機感を持ちまして、医療機関の受診を勧めているところです。

また、時間経過とともに、測定をする人が減ってきているというのも悩みどころです。どうしたら皆のモチベーションを保っていけるか、手を変え品を変え、色々試していきたいなというところですね。みなさんも、まだ若いから大丈夫と思っておられるかもしれませんが、ぜひ危機感を持って、血圧を測っていただけたらと思います。

自分の健康を「見える化」する。
自測自健ライフを始めよう

茂木:日本人は、健康に関することは、お医者さんに全部任せとけばいいって思っていたでしょう。僕はそれが害だと思っています。これこそが今回の自測自健の大きなテーマ。健康問題も自分から積極的に取り組んでいかないといけない時代なんですよ。大久保さんが研究していらっしゃる公衆衛生がいかに面白い分野かってことを、皆さん関心を持ってほしいと思います。

八木:自分の健康情報を自分で手軽に取得できる時代だということですね。会社での年に2回の健康診断のときだけでなく、毎日自測自健をすることで、自分の健康を見える化できるんですね。

これからの働き方や生き方を考えたときに、自分の健康をもとに考えるということが、長く活躍する大きな一歩になるのではないかと思いました。茂木さんが熱く語ってくださったメッセージが、今日は皆さんに伝わったと心から信じています。

血圧を毎日測るBP365運動。本日のフォーラムは、そのキックオフイベントとなりました。皆さん、血圧から働き方を考えるという考え方を周りにも広めていただけたらと思います。

   

パネリストプロフィール

村上 憲郎氏

1947年生まれ。(株)エナリス前代表取締役。元Google米国本社副社長兼Google日本法人代表取締役社長。

   

茂木健一郎氏

1962年生まれ。脳科学者。東京大学理学部、同法学部卒業後、同大大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。

   

大久保 孝義氏

1968年生まれ。帝京大学医学部・衛生学公衆衛生学講座主任教授。1999年、東北大学 大学院医学系研究科博士課程修了後、東北大学大学院薬学研究科寄附講座 准教授、滋賀医科大学医学部 准教授などを経て現職。

   

濱松 誠氏

1982年生まれ。One JAPAN共同発起人・代表。大学卒業後、2006年大手電機メーカーに入社。 海外営業や人材戦略部、人材開発などを担当し、2016年にはベンチャー企業へ出向。2016年には大企業の若手有志団体のプラットフォームOne JAPANを設立。

   

江田 憲史氏

オムロン ヘルスケア株式会社 執行役員 経営統轄部長。1990年オムロン入社。オムロンヘルスケア北米社長、同欧州社長を経て、2013年執行役員就任、2017年より現職。

   

八木早希さん

1978年生まれ。フリーアナウンサー。同志社大学文学部英文科卒業後、2001年毎日放送アナウンサーとして入社。2011年フリーに転身。四条畷学園大学客員教授。2014年同志社大学客員教授。

主催:BP365運動実行委員会、朝日新聞社
特別協賛:オムロン ヘルスケア株式会社
協賛:株式会社NTTドコモ
後援:特定非営利活動法人 日本高血圧協会

自測自健とは

自分の体の状態を自分で測る。健康を保つための新習慣を考える

健康状態を知るためには、血圧や体重、体脂肪率など、さまざまなデータを測ること。
しかも、人間ドックや健康診断の時ではなく、毎日「自分で測る」ことが大切です。

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