女性のカラダのこと、話していますか?:ハフポスト・井土亜梨沙さんインタビュー:「自測自健(じそくじけん)」のススメ:朝日新聞デジタル

「自測自健(じそくじけん)」のススメ

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女性のカラダのこと、話していますか?:ハフポスト・井土亜梨沙さんインタビュー

 医療や健康の情報は日常的に目にするけど、「女性のカラダ」についての情報は、あまり見ません。女性同士でも話しづらいのに、ましてや男性にとっては未知の世界。
 女性の体や健康にまつわる情報を女性にも男性にももっと知ってもらおうと、ハフポスト日本版で「Ladies Be Open」を立ち上げたディレクターの井土亜梨沙さん。体について考えることは、未来を考えることだと言います。

「体調不良」という理由に、もやもや

――「Ladies Be Open」を始めたきっかけは?
 私は生理が重く、たまに仕事も休むくらいひどいこともあります。会社には「体調不良」と伝えていましたが、生理って、一般的に健康な女性はほとんど毎月なるもので、「体調不良」ではないですよね。自分の体のメカニズムなのに「体調不良」と言って会社を休むことが、自分や社会に対してうそをついているような気がして、ずっともやもやしていました。
 正直に言ってみたら状況はどういう風に変わるんだろうと思って、生理の時の働き方について、男性上司に相談しました。そのことについてブログを書いて、同じ日にその上司もアンサーブログという形で、相談を受けた正直な気持ちをアップしています。これが「Ladies Be Open」の始まりです。

――プロジェクトの内容は?
「もっと話そう。カラダのこと」をテーマに、当事者が一人称でカラダについて話す、ということを大事にしています。人間の体って、一般化されて語られがちですけど、ライフスタイルや、個々の感じ方によって一人一人違いますよね。生理一つとっても、生理前症候群や頭痛や吐き気など、症状は人それぞれ。タブー視されることもあって、友達同士で話すこともなかなかない。だから女性のカラダについて、当事者として発信していくことが必要なんじゃないかと思いました。

働く女性は飢餓状態!?
健康的な「カラダ」には無関心

――世の女性は、自分の「カラダ」に関心を持っていると思いますか?
 美容やダイエットについてはすごく敏感で、見た目の「体」にはすごく気を遣っていると思います。一方、健康という意味での「体」については無関心な人が多い気がします。以前取材した予防医療コンサルタントの細川モモさんが、「20~30代の働く女性が1日に必要とするエネルギーは約1800~2000kcalだけど、実際に摂取しているエネルギーの平均は1479kcalで、食糧難だった終戦直後を下回っている」とお話しされていました。20~30代の女性は元気だから、飢餓状態にあっても働けてしまう。けれど、本当はどんどん不健康になっていて、頭痛や冷え性、疲れなどを悪化させている。忙しいから、周りが見えなくなって自分のカラダの将来のことまで目を向ける余裕がないのではないでしょうか。

   

――ご自身のカラダの不調にどう対処されていますか?
 生理の悩みで行った産婦人科で、「ピルという方法がありますよ」って教えて頂いて。それ以来ピルを飲んでいます。ピル以外にも例えばミレーナという器具は子宮の中に装着すると最長5年は着けたままでよく、経血量を減らすことができる。今までは痛み止めを服用して生理痛を抑えるしかありませんでしたが、産婦人科の先生に相談したことで選択肢がすごく増えました。いくつもの選択肢の中から自分の望むものを選択することって、未来を考えることだと思うんですね。ミレーナやピルには避妊作用があるから、今子どもを産みたいのかどうかも含め、ライフプランを考えるようになりました。一つ一つの選択肢が未来につながっていると思うと、自然に未来のことを考えるようになりましたし、今まで目の前の仕事しか見ていなかった自分にとって、もっと大きな道が開けたように感じました。

ひとまず病院に行ってみよう。
信頼できる医師を探そう

――産婦人科に行くことに抵抗はあった?
 抵抗ありましたね。以前は生理痛を我慢していました。でも、生理痛が重いのは何らかの病気が潜んでいる可能性もあるから、ひとまずお医者さんに行ってみる、ということは大切だと思います。病院って普通は病気になってから行きがちですが、病気かどうかはお医者さんが判断することで、自分たちで判断できることではない。だから不調だな、とか生理痛がつらい、とかどんな理由でもいいから、若いうちから信頼できるお医者さんにかかることを覚えておいた方がいい。私がピルを処方してもらっている産婦人科は、自宅の近くにあったので行き始めましたが、すごく信頼できる先生で、どんな選択肢があるかをいろいろと教えてくださいます。お医者さんが合わない人もいると思うけど、自分に合うお医者さんを貪欲に探した方がいいと思います。

――選択肢が増えて問題は解決した?
 山積みほどではないですが、問題はまだありますね。例えばピルだったら、毎日同じ時間に飲まなくちゃいけなくて、どうしても飲み忘れちゃう時がある。私、結構ずぼらなので、性格に合ってないのかなって思い始めて。これからは、生理周期を自分で把握して、その時に重い仕事を入れないようにするとか、生理周期に合わせた働き方をするということも一つの方法なのかな、と思っています。だから、すべての問題が解決するときは生理が来なくなったときですね。生理がある限り問題はあると思います。

「今日、生理なの?」はアウト!
1対1で話せる環境を

――職場で体調が悪い時、上司や同僚はどう対応すればいい?
 もちろんですが、「今日、生理なの?」って聞くのはアウトです(笑)。「大丈夫?」って声をかける手段もありますが、多くの人が大丈夫じゃなくても「大丈夫」と答えてしまう。体調について正直に話すには、ある程度の信頼関係が必要ですが、性別関係なく話せる環境は必要だと思います。ハフポストでは1on1(ワンオンワン)ミーティング、上司と部下が一対一で話せるような面談を定期的に開いていて、そこで仕事の仕方や自分のライフスタイルについて話せる環境があります。もっと職場にこういった場を作っていくことが重要だと思います。

   

プロフィール

井土 亜梨沙

1990年生まれ。一橋大学卒業。ハフポスト日本版ブログエディター。「Ladies Be Open」のプロジェクトを立ち上げ、女性のカラダや健康にまつわる様々な情報を発信している。1カ月間メイクしない自身の生活を綴った「すっぴん日記」なども。

自測自健とは

自分の体の状態を自分で測る。健康を保つための新習慣を考える

健康状態を知るためには、血圧や体重、体脂肪率など、さまざまなデータを測ること。
しかも、人間ドックや健康診断の時ではなく、毎日「自分で測る」ことが大切です。

トレンドニュースby 朝日新聞デジタル

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