心と体の健康に気づく「ヘルスツーリズム」30代女性記者が体験してみました:「自測自健(じそくじけん)」のススメ:朝日新聞デジタル

「自測自健(じそくじけん)」のススメ

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心と体の健康に気づく「ヘルスツーリズム」30代女性記者が体験してみました

 家と会社を往復する毎日。休日は温泉に入って、おいしい料理を食べたい!でも旅行中は血糖値や食事の塩分が気になるし、運動不足も心配……。そんなことを考えて、せっかくの休日をごろごろと過ごしていませんか?
 ヘルスツーリズムは心と体の健康を意識したツアーとして、今注目を集めています。ヘルシーな食事や、ウォーキング、森林浴など様々なプログラムを盛り込み、楽しく健康づくりに取り組めます。今回は実際に、30代女性記者が1泊2日の「木曽開田高原健康ツアー」に参加した様子をお届けします。

 

標高1100mの高原 歩くだけで運動量UP!

 12月初旬。正午前に長野県の木曽福島駅に降り立つと、いきなり猛吹雪に遭遇=写真①。天候に負けじと、バスに乗って、集合場所の開田高原「木曽おんたけ健康ラボ」を目指した。

 午後1時前、御嶽山が近くに見える、木曽おんたけ健康ラボに到着=写真②。今回は、栃木県・鬼怒川温泉から視察に訪れていた旅館関係者など8人と共に参加した。

 まず、説明を受けたあと、問診票にストレス度や身体の状態などを記入。その後、血圧、体組成計、唾液(だえき)でストレス度をチェックするアミラーゼモニター、握力などを計測=写真③。記者の血圧は135/99mmHgと普段より高い数値なのに驚き、スタッフに聞いてみると、「ここは標高1100mなので、普段より血圧が高めに出る方もいます。標高が高い分、少し歩くだけでも運動量が増えるんですよ」とのことだった。
 ストレスチェックの唾液中のアミラーゼは14と、やや少なめでストレスはあまりないようだ=写真④。

【左上】写真①、【右上】写真②、【左下】写真③、【右下】写真④

森の中の仕掛けで体力のなさを実感

 計測が終わると、身につけるだけで脈拍や血圧を測れるウェアラブル測定器を腕に装着して、健康ラボの裏手にある森へ出発。森にはウォーキングコースがあり、コースには体の状態を実感する仕掛けがあった。

 始めに「ロコモチェック(移動機能の状態を測定)」。4段階の高さの4本の丸太に、10~40の数が書かれている。数はそれぞれの高さを示していて、丸太に座った状態から、片足を前に出し両手を胸で組んだ体勢で立ち上がれるかをチェックする=写真⑤。記者(30代)は30cmの丸太から立ち上がれればOKとのことだったが、40cmの丸太ですら立ち上がれず、筋力のなさにがくぜんとした!

 次は、木に張られた地上約70㎝、長さ約9mのロープの上を歩く、バランスチェックだ。手でロープを支えながら進むタイプ=写真⑥と、「スラックライン」といって手放しで綱渡りするタイプがある=写真⑦。普通のロープと違って幅が5cmと広めなのだが、これがとても難しい。できそうと頭で考えていても、意外とできない。つまり、これらが自分の体力の現状を知るきっかけになるという。

 さらに森の奥へ進むと、木にかかったハンモックがあり、ここで一休み。ハンモックに寝転がって、揺られながら空を見上げると、静けさの中で自分の呼吸だけが聞こえ、深呼吸をすると、毎日の慌ただしさとは違う時間の流れを感じられた=写真⑧。

写真⑤
【左】写真⑥、【右】写真⑦
写真⑧

測定の後はリラックスタイムで心の健康を

 ハンモックから起き上がり、ウェアラブルをチェックしながら、歩くこと約1時間。ラボに戻ると、問診票をもとにして作られた「健康づくり個人プログラム」が用意されていた=写真⑨。身長から計算された、1日の摂取エネルギーや1食あたりのごはんの適量などが書かれていて、この表を参考にするとよいという。ちなみに記者は1日1613kcal、1食あたりのご飯は164gが適量とのことだ。

写真⑨

食事はコントロールされた地産地消のヘルシー料理!

 4時、旅館「やまかの湯」へ移動。

 6時半、夕食は特製のヘルシーメニュー=写真⑩、⑪。全てカロリーや塩分量などが計算されていて、この日の夕食は830kcal、塩分量は3.5gだった。基本は地元産の食材を使用して作られているという。特に「すんき」は地元ならではの発酵食品で、赤カブの葉を、塩を使わずに乳酸菌で発酵させた食べ物。減塩の食材にはもってこいだ。酸っぱい野沢菜のような味で、食感はシャキシャキしていてかみ応えがあった。

 そのほか、低糖質の大豆粉を使って揚げた柿の天ぷら、血糖値が上がりにくいとされる、そば、地元特産のとうもろこしのプリンなど、こだわりの食材で満腹になったが、1000 kcalないことに驚きだった。

 夕食後はナイトプログラム。アロママッサージか星空観察だったが、天候が悪かったため、アロママッサージを体験。参加者同士で肩をほぐし合い、手にアロマオイルをつけて相手の手をもむなど、リラックスした時間を楽しめた。

 11時、旅館の温泉に入った後、就寝。日中の森での1時間の運動が効いたのか、ぐっすりと眠った。

写真⑩
写真⑪

目覚めは早朝ウォーキング

 2日目は午前6時起床。まずは朝食前の運動として、7時から早朝ウォーキングだ。「朝日を浴びることで、前日の疲れをリセットして目覚めを良くする」とのこと。雪がちらつく中、ガイドの先導で約1時間歩いた。あいにくの天気で御嶽山は雲に隠れていたが、畑や織物体験ができる建物などを巡りながら、体を温めていく=写真⑫。

 ウォーキング後に、血糖値を測定。朝食の前後や、その後の運動後にも測り、血糖値の変化を知ることで、どのタイミングで運動すればいいのかがわかるそうだ。記者の食前の血糖値は90mg/dℓ、血圧は130/91 mmHgだった=写真⑬。

 8時、朝食はオリジナルの「すんきスムージー」から始まった。酸っぱさはなく、青汁のような味わいで飲みやすい。ご飯の麦飯は、歯ごたえがあって血糖値が上がりにくい食材だそうだ。昨日配られた「健康づくり個人プログラム」を元に、自分でご飯の量を測ってよそう。自分の適正の量を知ったのはこれが初めてかもしれない。朝食を食べない記者にとって食べきれるか不安だったが、なんと早朝ウォーキングのおかげで胃の中に全て収まった。朝食のエネルギーは466 kcal、塩分量は2.6g=写真⑭。

【左上】写真⑫、【右】写真⑬、【左下】写真⑭

食前後、運動後の血糖値を測定 数値の差に運動のタイミングを実感!

 9時、健康ラボに移動。食後の血糖値は110 mg/dℓで、食前に比べ、上がっていることを確認した後、メインのウォーキングに出発する。今回は、地蔵峠の途中まで登る全約3kmのコース。ごつごつとした山道を歩くことで筋力がつくそうだ=写真⑮。少し雪が積もった山道は、標高のせいもあってか、かなりの運動量! 参加者と励まし合いながら、道中、山鳥を観察したり、木曽馬の牧場を見学したりして、約2時間かけてラボに戻った=写真⑯。

 血糖値を測ると、93mg/dℓに下がっていた。食後1時間経ってからの運動は血糖値が下がりやすいという。目に見える変化だった。

 正午、昼食は郷土料理「投じそば」を食べた。だしのきいた鍋にしゃぶしゃぶのようにそばを入れて食べる料理。体が芯から温まったところで、プログラムは終了した。
 木曽おんたけ健康ラボの代表、木下藤寿さん(54)は「健康がわかってこそ一流のビジネスパーソン。自分自身の健康に目覚めるのがこのツアーの目的です。どのタイミングで運動すれば血糖値を下げられるか、どうすれば減塩の食事に舌を慣らせられるかなど、実践できる健康術を提供しています」と話す。

 1時、満腹と少しの疲労感で帰路につく。運動のやり方や適量のご飯、空気のきれいな場所で過ごす時間など、日頃意識していなかったことに気づいた内容だった。

 健康について、楽しく、おいしく学べ、リラックスできるツアー。都会の忙しさから離れて一度参加してみては?

【左】写真⑮、【右】写真⑯

ウォーク&ステイは1万8千円~。

木曽おんたけ健康ラボ
住所 長野県木曽郡木曽町開田高原末川1899の4
問い合わせ 0264・24・0870
ホームページ http://ontakelabo.jp/

自測自健とは

自分の体の状態を自分で測る。健康を保つための新習慣を考える

健康状態を知るためには、血圧や体重、体脂肪率など、さまざまなデータを測ること。
しかも、人間ドックや健康診断の時ではなく、毎日「自分で測る」ことが大切です。

トレンドニュースby 朝日新聞デジタル

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