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「子どもたちが成人するまでは生きたい」/水道橋博士さんに聞く身体の変化と健康法(前編)

 芸能界屈指の「健康オタク」で知られる、水道橋博士さん(55)。家族や仕事のために元気でいられるよう、好奇心の赴くままにさまざまな健康法を試しているそうです。前編では、年齢による身体の変化や病気の予防法について聞きました。

恐れていた「52歳の危機」

――健康に関心を持ったのはいつ頃ですか。
 今、俺は55歳だけど、40代になると若いときは当たり前だったことがそうではなくなる。肩や腰が痛い、二日酔いが抜けにくいとか。誰もが意識することだと思いますけどね。気がつくと重篤な症状になっていたりする。
 あと、俺は41歳のときに長男が生まれたんです。子どもたちが成人するまでは生きたい。そう思ってからは、すごく意識的に自分と肉体への問いかけをやっていますね。さらに50歳を過ぎて、老眼、腰痛、四肢のしびれと、とにかく体中が痛くて、身体の衰えを感じました。父は70代半ばで脳出血で倒れ、口も聞けないまま長く寝たきりになり、要介護5の重度身体障害者のまま2007年に81歳で亡くなりました。その晩年の介護される姿を見て、健康を見つめ直した。
 そう、「52歳の危機」というのをよく口にしてるんです。美空ひばりさん、石原裕次郎さん、三波伸介さん、みんな52歳で亡くなった。だから自分が52歳になって、持病の腰痛が悪化したとき、このまま死ぬんだなと思った。周りの人には「どんだけ自分のことをスターだと思ってるんすか」って言われたけどね(笑)。

不慮の事故にも予防線を

――普段、どんなことに気をつけていますか。
 作家の中島らもさんも52歳のときに、階段を踏み外して亡くなりました。だから俺、階段を下りるときはかなり慎重ですよ。この前、ライブの打ち上げで行ったお店の階段がすごい急で、一目見てすぐに「俺を殺しにきてるな」と察した。手すりを握って、かなり気をつけましたよ。体をいつも気にかけていても、不慮の事故にあったらおしまいですから。
 車の運転も今はしません。以前、ウイルス性髄膜炎になったとき、末端神経や目、手先がおかしくなって。じっとしてても手が震えるんですよ。これで運転したら、たぶん事故を起こすだろうと。
 あと、俺はインフルエンザを異常に恐れています。今ちょうどはやってるじゃない。我が家で誰か1人がかかったら、家庭内パンデミック(流行)で全員感染するかもしれないでしょ。そのパターンがこの10年で2回あるのよ。今も長男(14歳)と次男(9歳)がかかっているので隔離状態です。

ハチミツのアメでインフルエンザ予防

――予防のためにやっていることは。
 ハチミツ100%のアメをずっとなめています。寝るときや食事中以外は、ほぼずっとなめ続ける。ウイルスが好むのは乾燥だからね。アメをなめてのどを潤してるんです。あと、搾りたての青汁を10年以上ずっと飲んでいます。ケールの葉が入った普通のやつだけど、搾りたてだからとにかく新鮮。半日飲まないと腐るほど。毎日自宅に届けてもらっているんだ。効果? 今のところ元気だから、何かしら効いているんだろうね。

   

筋トレはすでに卒業?

――水道橋博士さんといえば筋トレのイメージが。最近もやっていますか。
 2007年に『筋肉バカの壁』という本を書いたときは、加圧式トレーニングをやっていたけど、今は頻繁にはやっていません。筋肉信仰がなくなったんですよ。筋肉はある程度あったほうがいいけど、ムキムキしている人の、ムキムキした言葉遣いがいやになった。だから、俺は逆に、女性のように化粧とかするようになった。この話の流れ、みんなに「意味わかんない」と言われるけどね(笑)。
 本当に、言葉遣いも全部変えて女子っぽくしたんです。1年くらいは続けたかな。その頃、子どもたちが思春期にさしかかっていて、特に長男の反抗期が早くて、そのことで担任の先生と話したとき、「家庭の中で何か変化はありましたか」と聞かれて。妻が「パパがおねえになって……」とは言うに言えない様子を見たら、だんだん家族が気の毒になってきたんだ。それで化粧はやめました(笑)。
 要は、マッチョな人が本当に心身ともに健康かはわからなくなってきたんですよ。ムキムキ感が思想にも反映される気がして、自分には合わないと感じて、しばしやめてる感じ。肉体の変化は精神にも影響すると思いますよ。

――筋トレをやめた今、健康を維持できていますか?
 全然健康じゃないですよ。だって基本、超寝不足。ワーカホリックなんです。それも立派な病気だからね。今日だって2時半に起きた。まあ、9時半には寝たけどね。平均睡眠時間は4~5時間かな。もっと寝たいけど、朝の3時とかに起きて執筆しています。今、病気で倒れたとしたら、明らかに寝不足が原因の一つだと思う。
 でも、芸能の仕事と執筆を両立するには、削れるところが睡眠しかないから。昔からそうだけど、カウチポテトとか釣りとか絶対できないタイプ。ただボーッとするのが無理なんです。性分だね。仕事をしていないときは、年中身体のメンテナンスをしている気がします。

阿久悠全集をBGMに水中ウォーキング

――筋トレはやめてしまったそうですが、運動はしていますか。
 休みの日は必ずジムに行きます。今日も行ってきたところ。水中で使える携帯音楽プレーヤーをつけて音楽やポッドキャストを聞きながら、2〜3年前は1千メートル以上泳いでたけど、今は水中ウォーキングを1時間以上やる。俺が行く時間帯は、老人の方が多くて、その方々が歩いているというよりは浮いているような行進で、全然進まない(笑)。これは何の行進なんだよって思いながら、同時に、自分はなんて平和を享受しているんだって思うね。
 昼下がりに老人たちとプールで歩いている人生。人類史のなかでも珍しいのどかな時代だな、と思うよ。まあ、プールには映画評論家・町山智浩さんのポッドキャストを聞きたくて行ってるようなものだね。身体を動かしながらじゃないと聞けない体質になった。音楽なら、阿久悠全集を聞くのが最高! 日本歌謡史を網羅しながらプールに入ってることになるね。
 あとは普通のウォーキングもやる。歩くときは、アンクルウェート(足首に巻く重り)をつける「ヘビーウォーキング」を取り入れています。80歳でエベレストに登頂した冒険家・三浦雄一郎さんは、独自のこの方法で鍛えていた。身体に負荷をかけた状態で歩くことで、より効率よく短時間で筋力を鍛え、カロリー消費を促すんです。

後編はこちら
   

プロフィール

水道橋博士(すいどうばしはかせ)

岡山県出身。86年にビートたけしに弟子入り。翌年、漫才コンビ「浅草キッド」を結成する。テレビ、ラジオ、舞台のほか、コラムやエッセーの執筆などライターとしても活躍している。

自測自健とは

自分の体の状態を自分で測る。健康を保つための新習慣を考える

健康状態を知るためには、血圧や体重、体脂肪率など、さまざまなデータを測ること。
しかも、人間ドックや健康診断の時ではなく、毎日「自分で測る」ことが大切です。

トレンドニュースby 朝日新聞デジタル

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