「自測自健(じそくじけん)」のススメ

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「健康法、片っ端から試せば永続的に健康でしょ」/水道橋博士さんに聞く身体の変化と健康法(後編)

 50代に入り、身体の衰えを感じたという水道橋博士さん。身体と対話し、楽しんでできる独自の健康法を編み出しているそうです。後編では、実践している内容について聞きました。

番組収録中、偶然見つけた健康アイテム

――今も続けている健康法はありますか。
 ウォーキングは毎日のように続けていますね。高円寺~中野間を往復してる。あとは木材の二つの「コロコロ」(水道橋博士さん命名、下写真)。以前、8時間くらい収録する番組に出させていただいたとき、ベルトの後ろにつけていたマイクの送信機がずれて、お尻の下に入ったんです。これがいい具合につらい箇所を押してくれて、楽になりました。本番終了後、すぐに自宅近所のホームセンターへ直行。木材売り場で何本もお尻に当てて試して、長い木をカットして部分売りしてもらいました。
 収録中にこっそりと、お尻や太ももの下に置いて使っています。帰るときに忘れていくと、局の人に「博士は何を持ってきているんですか?」って驚かれるけどね。今の話を説明するのが面倒だから、二つのコロコロを手に持って、「(カンカンと打ち鳴らしながら)火のよーじん!」と叫ぶ。普段から火の用心をしているふりをします(笑)。とにかく、コロコロの上に座ると腰も楽なんですよ。自分で編み出したオリジナル法ですね。

腰痛で気を失いかけた

――腰痛はいつからですか。
 28歳のときに、バラエティー番組で巨大サイコロに入ったまま雪山を転がり落ちたことがあって。あとはドッキリを仕掛けられて、2メートル近い巨漢プロレスラーのキラー・カーンのアルバトロス殺法(モンゴリアンチョップからのWニードロップ)を食らったのも原因の一つです。体を張ってましたね。ついに病院送りになって椎間板(ついかんばん)ヘルニアと診断されました。
 それ以来、腰痛とは長いつきあいだけど、5年前に悪化したときはつらかった。番組収録中、あまりの腰の痛さに、マネジャーに「帰らせてくれ」と言ってしまうほど。結局痛み止めを飲んで乗り切ったけどね。途中で意識を失うかと思うレベルだった。その頃は靴ひもが結べない、荷物も上げられない、タクシーの奥座にも座れない。日常生活がつらくてしょうがなかった。
 そのときに、リングドクターをやっていた野呂田秀夫医師に指導してもらって、それ以来、毎日腰痛トレーニングをやっています。当時に比べたらだいぶよくなりました。座るときには、骨盤矯正クッションがかかせない。3万円くらいしたけど、使ったらやめられません。

卓球で東京五輪を目指していた!?

――腰痛に効果があったと感じる健康法は。
 バナナ型の健康グッズ(下写真)。両手で持ってグーッと引っ張ると、伸びるんです。これだけで3kgやせたスタイリストの人がいますよ。俺は新幹線の中でもやってる。これ、本物のバナナみたいに見えるでしょ。
 前に、照英さんとロケに行ったとき、飛行機内で俺がこれをやってて降りたときもそのまま手に持ってて。それを見た照英さん、本物だと勘違いして、「さすが博士は食事管理もして健康に気を遣ってるな~」と思って、しばらく移動してまだ俺が手に持ってたから、「博士、バナナ食べなかったんですか?」って。それで俺がびょーん!って引っ張って見せたら、照英さんが「そんなバナナ!」って言ってひっくり返ってた。本当の話だよ。実際にそんなダジャレを言う人がいるんだなと思った(笑)。
 あと、一時、卓球にのめり込んでましたね。倉庫部屋というのを借りて、本物の卓球台を置いてました。一日中やってて、それは健康によかったんじゃないかな。卓球熱が高じて、2020年オリンピックを目指そうと(笑)。付き人とか、対戦相手がいないときは、自動的にボールを放つマシンまで購入した。あと、部屋中に転がったピンポン球を拾うための大きい網まで。めちゃめちゃうまくなって、感動的なラリーまで生まれるようになった。普通は11点先取のところを、110点に設定したりね。そのときも腰痛はあったけど、卓球とバナナでだいぶ回復したんじゃないかと俺は思ってるよ。

   

――健康グッズはどうやって見つけるんですか?
 通販とかで見つけたものを片っ端から買う。で、全部続かない。続かないけど、短期間でも一個ずつ試してるわけだから、何かしら常にやっている。つまり永続的に健康でしょ(笑)。買うのにためらいはないよ。1万円くらいならすぐ買います。消費は経済を動かすからね。まさに社会の健康のために良い。すごく高い買い物でいまいちだったとき、まずいことをした気分になっても、「俺は社会に注射を打った」と思って無駄遣いを気持ち的にリカバリーしてる。

舌が黒くなり、医者は深刻な顔

――健康診断は行きますか。
 45歳を過ぎたころから、毎年行っています。バリウム検査などを受けて、1カ月に1回は血液検査も受けてる。50歳を過ぎてからは、1年に1回、人間ドックを受けています。父が脳出血を経て亡くなったこともあり、脳疾患が怖いので、脳ドック、がんの早期発見のPET検査を受けていますよ。血圧も、かかりつけの町医者で定期的に測っています。成人男性の平均と変わらないと思う。
 そうそう、最近診断されたのはこれ(舌を出してみせる)。今も黒いでしょ? 別に「ローリング・ストーンズ」のまねをしたわけじゃなくてね。黒毛舌(こくもうぜつ)という症状らしい。口の中の菌のバランスが崩れて、カンジダ菌(常在菌の一種)が増殖すると黒くなるそうです。免疫力の低下や抗菌薬の長期服用が原因でなるみたい。風邪をひいたときに飲んだ薬の影響だったのかも。最初は何の症状かわからなくて、かかりつけ医に見せたとき、医者の顔色が変わったんです。それで俺も察して、「最悪な結果を言ってください」と言ったら、「最悪な場合はがんです」と言われた。その日のうちに3軒くらい病院を回りました。それでも原因がわからなくて、最終的に耳鼻科にかかったら、黒毛舌と判明した。

いつも「死んでる」と思って生きてる

――そのときは、どんな気持ちでしたか。
 何の症状かわかるまでは、「俺はもう死ぬな」と思ってた。そもそも、いつも「死んでる」と思って生きているんだけどね。明け方、夢から現実の境目を探りながら目覚めたとき、「あ、生きてる」とほっとします。俺は典型的なタナトフォビア(死恐怖症)だからね。子どものころからずっと「死」に取りつかれている。自分の子どもが生まれた瞬間、やっとその呪縛から解放されたと思ったけど、すぐに父の死を迎え、死を意識してしか生きられないことを改めて悟った。これは俺だけの話ではない。誰もが経験すること。だから宗教があるんだろうな。
 「健康オタク」になったのは、死を恐れる反動でもあるんだろうね。健康のため、生きるためにできる限りの予防はやる。47歳の頃にウイルス性髄膜炎で入院したとき、「あれだけ健康、健康って言ってた博士も病気になったじゃないか」とも言われたけど、伊集院光にだけは「博士は健康に関心がなかったらもっと早くひどいことになっていた」と言われた。俺もそう思うね。だから予防線を張るのはやっぱり大切ですよ。

前編はこちら
   

プロフィール

水道橋博士(すいどうばしはかせ)

岡山県出身。86年にビートたけしに弟子入り。翌年、漫才コンビ「浅草キッド」を結成する。テレビ、ラジオ、舞台のほか、コラムやエッセーの執筆などライターとしても活躍している。

自測自健とは

自分の体の状態を自分で測る。健康を保つための新習慣を考える

健康状態を知るためには、血圧や体重、体脂肪率など、さまざまなデータを測ること。
しかも、人間ドックや健康診断の時ではなく、毎日「自分で測る」ことが大切です。

トレンドニュースby 朝日新聞デジタル

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