「自測自健(じそくじけん)」のススメ

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ロボットが健康サポート、音声AIが食事のアドバイス。AIで健康管理できる時代がやってくる!

 人工知能(AI)がますます身近になっています。今後、音声AIと対話するだけで自分の体調を把握できて、必要な食事や運動を教えてもらえる、病院いらず生活が送れるようになるかもしれません。実用化を目指して開発中の、二つの機器をご紹介します。

友達のようなロボットが心身ともにサポート

 親しみやすい黄色のボディーに、くりっとした瞳。健康をサポートしてくれるロボット、その名も「Mabu」(マブ)だ。音声認識またはタッチスクリーンでコミュニケーションをとり、利用者の日々のデータを取得、蓄積する。対話を重ねることで、個人の好みや傾向を理解し、利用者に合った治療法や処方を提案するようになる。
 開発を手がけたのは、米国のCatalia Health Inc.(カタリアヘルス)。CEOを務めるCory Kidd氏は、ロボット、心理学、医療の勉強を20年前から続け、対話で信頼感を得られるロボットを開発してきた。コスト面で苦労したが、スマートフォンの爆発的な普及で部品などの価格が急激に下がり、めどがついたという。日本の専門商社マクニカと共同で、Mabuを通じた新しいサービスの実現を目指している。
 Mabuは日本語の「マブダチ(親友)」と「まばたき」から成る造語。利用者のマブダチとなり、日々の会話を続けることで健康状態を改善させられるように、という意味を込めた。「どんな食事をとりました?」「薬は正しく服用しましたか?」などの問いかけから、処方された薬で体調が改善しなければ、「かかりつけの先生に早めに診察をしてもらった方がいいのでは」といったアドバイスまでしてくれる。まばたきでアイコンタクトをとり、利用者に寄り添った関係作りをしていきたいという。
 現在は英語版のみだが、日本語版も開発予定とのこと。実用化されれば、「Mabuが蓄積したデータで、最適な医療の提供や服薬ができるようになります。無駄な医療費の削減につながり、医療従事者不足の解消にも貢献できると思います」と、マクニカ未来事業創造室の鈴木健吾さんは語る。
 もう一つ魅力的な機能が、SNS連携だ。外出中、SNSを通じて薬を飲む時間を知らせてくれて、飲み忘れを防ぐ。その際に簡単なチャットもできるという。遠方からもサポートしてくれる、頼もしい存在になりそうだ。

   

プロフィール

株式会社マクニカ 未来事業創造室
ヘルスケアビジネスユニット
鈴木健吾/すずき・けんご

新規事業開発にてヘルスケア領域、特にデジタルテクノロジーを介在させた未病・予防・診断支援の事業に携わる

       

「体の調子が心配ですね」。音声AIが記者の体調を気遣う

 高齢者の使い勝手に配慮した「らくらくスマートフォン」を生み出した富士通コネクテッドテクノロジーズは、健康管理ができる「エージェントデバイス」の製品化を目指す。円柱型のデバイスには、音声対話エンジンと健康チェックできるセンサーを搭載。本体上部中央の脈波センサーに指を置くだけで、血管年齢、心拍数、ストレス度がわかる。血管年齢は血液の流れのスムーズさを感知することで導き出せるという。
 「最近ではテレビCMでもおなじみの、利用者が話しかけるタイプのAIスピーカーが主流ですよね。でもこれは、エージェントデバイスのほうから話しかけてくれて、自然な対話でコミュニケーションができます」と富士通コネクテッドテクノロジーズの吉田広平さん。記者(女性、29歳)も体験させてもらった。
 AIの音声とあいさつを交わし、会話と測定がスタート。「最近スポーツや運動はしていますか?」と問われ、気まずさを覚えつつ「していません」と正直に答えると、「体の調子が心配ですね」とケアの一言が。続けて、脈派センサーに指を置いて測定。血管年齢は30歳、心拍数・ストレス度は平均的というまずまずの結果だった。
 測定中に、AIからは「ストレス解消には、ビタミンB1、ビタミンC、カルシウムが豊富に含まれる豚肉、ウナギ、ブロッコリー、ピーマン、小魚を使った料理を選んでみるといいですよ」という具体的なアドバイスもあった。今回の測定結果はタブレットに表示されたが、いずれはスマホと連携し、判定結果はアプリで見られるようになる予定だ。
 「どんな業界と提携して、どんなサービスを提供できるか検討中です」と吉田さんは話す。たとえば、ドラッグストアと提携すれば、今の健康状態に必要な薬の情報がすぐわかるようになり、フィットネスクラブと提携すれば、健康チェックにもとづいたトレーニングができるようになる。また、流通業界と提携すれば、エージェントデバイスが薬やサプリメントをすぐに発注……ということもできるかもしれない。可能性は広がるばかりだ。

   

プロフィール

富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社
吉田広平/よしだ・こうへい

2017年、健康エージェントサービスプロジェクトに参画。医療業界の専門家や機器開発メンバーたちとディスカッションを重ね、サービス開発に尽力

自測自健とは

自分の体の状態を自分で測る。健康を保つための新習慣を考える

健康状態を知るためには、血圧や体重、体脂肪率など、さまざまなデータを測ること。
しかも、人間ドックや健康診断の時ではなく、毎日「自分で測る」ことが大切です。

トレンドニュースby 朝日新聞デジタル

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