「自測自健(じそくじけん)」のススメ

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アスリートの健康管理や食事が知りたい!/元プロ野球選手・鈴木尚広さんに聞きました(後編)

 野球にストイックな姿勢で向かい続けてきた鈴木さん。2年前に引退してからは、どんな生活を送っているのでしょうか? 後編では、引退後のライフスタイルに加え、体形のコントロール法についても聞きました。

子どもたちにサプライズを与え続けたい

――現在のライフスタイルは?
 解説や講演会などの機会に、色々な方とお話しさせていただくことが、本当に新鮮で自分の成長の糧になっていると感じています。ただ、野球はスケジュールが決まっていましたが、今は不定休で、時間もばらばら。自分で生活をコントロールしなければいけないと思っています。引退しても野球選手の面影みたいなものは残すべきだと思うので、体形は維持したい。太った人が子どもたちに野球を教えても、説得力がないですよね。動けるうちはしっかり動いて、しっかり見せて、子どもたちにサプライズを与えたい。食事も、会食などでとりすぎるときはありますが、食べ過ぎたら次の日必ず調整するようにしています。消費より摂取エネルギーが高くなれば、それは太ってきますよね。そうならないように、特に週に何回と決めず心に余裕があるときに、ランニングやトレーニングをしています。

――睡眠は?
 引退した今も、睡眠はばっちりとっています。仕事がない日や早く帰宅したときは10時くらいに寝て、9、10時間くらい寝ますよ。体力があるうちは、寝られるときにしっかり寝ておかないと。年を取ったら3時間くらいしか寝られなくなっちゃうみたいですから、そうなりたくないんです。

――引退後、健康に対する意識に変化はありましたか?
 健康に対する意識は、引退してより高まってきましたね。やっぱり長生きしたいですし、現役時代より時間があるので、情報を得やすい部分もありますね。食べ物に関しては、口から入れたものが自分の体になるっていう、すごくシンプルなこと。だからなるべく自分に合った良いものを取り入れたくて、ネットでどんな食べ物がいいのか、調べています。それを、自分を実験台にして試していく。トレーニングと同じです。何百種類とトレーニングの方法がある中で、とにかくまず試すことがスタートライン。実験結果が判明するのは、まだだいぶ先だと思います。でも、今やっていることが近い将来の自分にどう反映されるのか、すごく楽しみですね。

食品の成分表示チェックが面白い

――具体的には、どのようなことに気をつけていますか?
 食事で気をつけなければいけないのは、太りやすい糖質と脂質。僕、最近、食品の成分表示を見るのが好きなんですよ。「炭水化物はこれくらいか」とか、スーパーなどで常に見ています(笑)。たまに周りの人に、「この人、何見てるのかな」みたいな目で見られますけど、そんなことは気にしない。僕はそこに興味があるから、学びたいだけです。成分表示、面白いからぜひ見てみてください。
 あと、油に関して言えば、オリーブオイル、亜麻仁油のほか、中鎖脂肪酸100パーセントのMCTオイルを摂取しています。MCTオイルは脳の疲労回復に良いと聞いて、今試しているところです。脂肪はエネルギー源で、脂肪が不足してくると、筋肉が分解されてしまいますから、十分なオイルをとるようにしています。その他には、白米を食べるときは雑穀を入れるとか、小腹がすいたときは、アーモンドを食べるとか。気をつけていることって、そのくらいですよ。
 僕は、とりわけ水にこだわっていますけど、水だけでは全ては得られないし、この食材をとったから劇的に何かが変わる、というわけでもない。そればかりに特化してストレスがたまったり、気持ちが上向いていかなかったりしたら意味がないので、自分が健康であるための一つの要素という位置づけで、固執しすぎず、柔軟に考えるようにしています。

未来の理想の自分になるため、必要最低限ストイックに

――食事は1日3食?
 だいたい昼と夜の2食で、朝は食べませんね。体を24時間フル活動させず、空腹の時間を作っています。また、夜は炭水化物をあまりとらないようにしています。よだれを垂らしながらラーメン屋の横を通り過ぎるとか、ありますけどね(笑)。たまにご褒美にラーメンを食べることもありますけど、普段は食べないようにしている。一瞬の楽しみをとるのか、未来の理想の自分をとるのか、というところですね。

――現在も、とてもストイックな生活をされていますね。
 周りからストイックだ、と言われることもありますが、僕、気持ちは弱いんですよ。ただ、やり残しを作りたくない。後ろを振り返ったときに、「あ!」っていう後悔は作りたくない。満足して死にたいじゃないですか。周りが努力という言葉で表現してくれるだけで、自分は最低限を追い求めるスタイルでやっているだけなんです。

――体形をコントロールしたい読者にアドバイスを
 体形をコントロールするには、食べながら運動することが一番です。食事だけで痩せようとすると限界がきます。運動も、アスリートみたいに激しい運動をする必要はなく、1、2時間のジョギングやウォーキングを週1、2回続けていけば基礎代謝が上がっていきますから。運動をしないで痩せたいなんていう人がいますが、そんな特効薬、あるわけないんですよ。
 ただ、太りにくい体質や太りやすい体質、いろんなタイプの人がいます。食事の栄養の吸収率も違う。自分がどういうタイプの人間なのか、自分を知ることが大事ですね。僕は、食べ物のアレルギーを調べるなど、自分の内側の評価をするようになりました。何もないと、自分のことって感覚的な部分でしか分からないじゃないですか。やはりまずは自分自身を知ることが大事なんだと思います。

前編はこちら
   

プロフィール

鈴木 尚広(すずき・たかひろ)

1978年生まれ。プロ野球選手として20年間巨人でプレーし、2016年に引退。現在は野球解説のほか、講演活動も行う。著書に「失敗することは考えない 走る!盗塁哲学」(実業之日本社)。

自測自健とは

自分の体の状態を自分で測る。健康を保つための新習慣を考える

健康状態を知るためには、血圧や体重、体脂肪率など、さまざまなデータを測ること。
しかも、人間ドックや健康診断の時ではなく、毎日「自分で測る」ことが大切です。

トレンドニュースby 朝日新聞デジタル

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