「自測自健(じそくじけん)」のススメ

  • TOP
  • 血圧
  • 低血圧は食事で改善できる!必要な栄養素をご紹介

低血圧は食事で改善できる!必要な栄養素をご紹介

   

監修者プロフィール

伊藤メディカルクリニック院長
伊藤 幹彦 先生

東京医科大学卒業後、東京医科大学第2外科(心臓血管外科)入局。東京医科大学八王子医療センター心臓血管外科や東京警察病院外科医長などを経歴し、現在は伊藤メディカルクリニックの院長を務める。これまでの術者としての経験をもとに、全身管理の大切さをモットーとし、健康維持への貢献を目指している。

 「朝なかなか起きられない」、「ちょっとしたことですぐに疲れてしまい、横になりたくなる」、「原因はわからないが食後にめまいや立ちくらみといった症状が多い」などの症状はありませんか?これらの症状は、もしかしたら「低血圧」が原因かもしれません。低血圧の症状には「眠気」や「だるさ」といった症状がでることがありますが、毎日の食生活を見直すことで低血圧の症状を改善することができます。今回は、今日からすぐに実践することができる、低血圧改善のための食事の見直し方を解説していきます。

これって低血圧?意外と知らない低血圧の自覚的症状

 「低血圧」は、文字通り血圧が低いということが特徴的な症状ですが、それ以外にも、血圧が低いことで身体にあらわれる症状があります。しかし、低血圧の症状は高血圧と比べるとあまり知られていないものが多いです。ここではまず、低血圧の症状についてみてみましょう。

眠気
 低血圧になると、心臓が身体中に血液を送り出す力が弱まります。これにより、脳に十分な酸素を送ることができなくなり、脳の働きが低下してしまって眠気が起きます。

めまい
 脳に酸素を送ることができなくなると、めまいや立ちくらみといった症状もあらわれます。めまいには2種類あり、身体全体がふわふわした感じの「浮遊性めまい」と、視界がぐるぐるまわっているかのような「回転性めまい」があります。症状がひどいと、耳鳴りや血の気が引く、失神などといった症状があらわれることもあるようです。

食欲不振
 意外だと思う人が多いかもしれませんが、低血圧症状のひとつに挙げられるのが「食欲不振」です。食欲不振の症状は朝にでることが多く、朝食が食べられなくなることもあります。食欲不振になることできちんと栄養をとることができず、症状は悪化していきます。また、食が細くなる、朝に胃腸の調子が悪くなる、偏食がひどくなるといったことから、十二指腸潰瘍や過敏性腸症候群といった病気を誘発することもあるのです。

動悸・息切れ
 高血圧症状と勘違いされがちな低血圧の症状に、「動悸・息切れ」があります。呼吸器系の臓器に酸素を送ることができなくなるために、このような症状が起こってしまうと考えられています。症状がひどくなると、呼吸困難や過呼吸症候群、胸痛などといった症状があらわれるようになります。

実は低血圧にはいろいろな種類がある

 一般の人は「低血圧」とひとくくりにしていますが、実は低血圧にはいくつかの種類があります。低血圧の種類によって原因や症状・対策が異なるので、自分の低血圧の種類をきちんと把握しておく必要があります。

低血圧の種類
 基本的に低血圧の症状は、心臓が血液を身体中に送り出す力が弱いため、体内に血液がきちんと送られないためにさまざまな症状が起こります。低血圧は特に若い女性に多く、大きく分けると次の4つの種類に分けることができます。

・本態性低血圧
本態性低血圧は、主に原因不明な低血圧のことです。やせ型の女性や虚弱体質の人に多い傾向にあります。

・食後低血圧
食後一定時間内にめまいやふらつきといった症状が起こる場合は、食後低血圧の可能性があります。自宅など落ち着いた環境で食前と食後の血圧を測ることで発覚することが多いです。

・起立性低血圧
起立性低血圧は、横になっている状態やしゃがんでいるような状態から急に立ち上がることでめまいなどの症状がでます。起立性低血圧は普段の血圧に問題がない人でも症状が現れることがあります。

・二次性(症候性)低血圧
二次性(症候性)低血圧は年齢や性別などはあまり関係ない低血圧症で、病気やケガ、薬により引き起こされるものです。慢性症状の場合は、めまいや立ちくらみ、だるさとなどの症状がありますが、急性の場合は、意識障害・四肢のしびれ、ショック症状といった状態に陥ります。

低血圧が起きる原因
 低血圧の発症原因には次のようなものがあります。

・自律神経失調症
・抗不整脈薬や精神安定剤などの内服薬による副作用
・ガンや循環器系・内分泌疾患・胃腸系の疾患などの病気や下痢・出血など
・栄養不足
・遺伝や体質によるもの

 病院で詳細な検査を行うことで原因がわかり、治療や予防策をとることができます。特に病気やケガ、薬が原因の場合は、専門医の指示に従って症状を改善・予防する必要があります。

低血圧予防にいいとされる食事や栄養素とは

 低血圧の治療は通院して薬をもらうだけでは十分とはいえません。きちんと低血圧を治療し、予防するには日ごろの生活習慣を改善することが必要です。その中でもこの章では栄養素を中心とした食生活についてご紹介します。

低血圧予防にいいとされる栄養素とは
 低血圧の症状を予防するには次の栄養素を積極的にとるといわれています。

・タンパク質
人間の身体を作るために必要なタンパク質も、低血圧の予防のためには必要な栄養素です。基本的にタンパク質は毎食ごとに20~30g摂取する必要があるといわれています。タンパク質は血液を送る心臓などの臓器や血管の材料になり、血液の材料にもなります。またストレスを感じて不安定になっている自律神経を安定させる働きもあるので、毎日摂取するよう心がけましょう。

・塩分
厚生労働省が推奨する日本人の食塩摂取量の目標値は、1日に男性8g未満、女性7g未満とされています。塩には「血管を広げる作用」と「体温を上げる」という働きがあり、この2つの作用が起きることで、血液が流れやすい体内環境を整えることができるのですが、塩分の摂取量が低いとこの働きも低くなってしまい、血液が流れにくくなって低血圧が起きてしまうのです。そのため、低血圧の人は目標値を基準に塩分摂取を心がけましょう。

・水分
意外に思うかもしれませんが、低血圧の症状を予防するには、水分はとても重要な役割を果たします。水は身体の中を流れる血液の量を増やして、血液をスムーズに流れるようにしてくれます。一般的に1日に必要な水の量は約1リットルから2.5リットルが理想的といわれています。1日に何回かに分けて飲み、加えて食事で水分を摂取することがポイントです。

・ミネラル、ビタミン
不足しがちな栄養素ですが、健康には不可欠な栄養素です。

低血圧予防にいいとされる栄養素を多く含む食品
 低血圧に良い栄養素を食事に取り入れようと思ったとき、どんな食材にどの栄養素が多く含まれているかわからないという人は多いです。低血圧に必要な栄養素が多く含まれている食べものには、次のようなものがあります。

・魚介類
魚介類のタンパク質は良質なものが多いため、低血圧に悩む方におすすめの食材です。サケ、タラ、タイなどに代表される白身魚は高タンパク質で低脂肪、さらにコラーゲンを豊富に含むため、美容も健康も気になるという女性にピッタリです。一方、アジ、サバ、マグロなどの赤身魚は高タンパク質であるとともに、ヘモグロビンやミオグロビンといった血色素を多く含みます。この成分は血液のもとになるため、貧血の悩みを併発している方は、ぜひ取り入れてみましょう。

・肉類
こちらも魚介類と同様に質の良いタンパク質をとることができ、特に豚肉には、疲労回復効果のある「ビタミンB1」が多く含まれています。肉類がダメという人は、豆腐や納豆といった大豆製品からタンパク質をとるようにしましょう。

・野菜・果物
野菜の中でも緑黄色野菜には「ビタミン」、淡色野菜には「ミネラル」が豊富に含まれています。果物ならみかんなどのかんきつ類がおすすめで、「疲れ」や「めまい」、「だるさ」を緩和してくれることが期待できます。

・乳製品
ヨーグルトや牛乳にはミネラルが含まれています。

・お米などの穀物
穀物、といっても普段食べている主食の白米より、発芽米や玄米といったもののほうがビタミンを多く含んでいます。パンやパスタ類などの麺類は全粒粉やライ麦のほうがミネラルを多く摂取することができます。

・その他
昆布やのり、ワカメなどの海藻類からはミネラルを摂取することができます。

注意すべき食品
 低血圧の症状を改善・予防するために食生活を見直す場合、気をつけたい食品に「加工食品」があります。市販されている加工食品やインスタント食品は、塩分以外の栄養素が少ないものが多いです。偏った食事を避けて、バランスの良い食事を心がけましょう。

自測自健とは

自分の体の状態を自分で測る。健康を保つための新習慣を考える

健康状態を知るためには、血圧や体重、体脂肪率など、さまざまなデータを測ること。
しかも、人間ドックや健康診断の時ではなく、毎日「自分で測る」ことが大切です。

関連記事