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体を動かして低血圧を改善!手軽にできる運動を紹介

   

監修者プロフィール

伊藤メディカルクリニック院長
伊藤 幹彦 先生

東京医科大学卒業後、東京医科大学第2外科(心臓血管外科)入局。東京医科大学八王子医療センター心臓血管外科や東京警察病院外科医長などを経歴し、現在は伊藤メディカルクリニックの院長を務める。これまでの術者としての経験をもとに、全身管理の大切さをモットーとし、健康維持への貢献を目指している。

 「朝に目覚めるとき、なかなか起き上がれない」、「食欲があまり湧かない」、「たまにめまいがする」こうした症状が見られた場合、低血圧が原因かもしれません。

 低血圧の治療方法としては、病院やクリニックで薬を処方してもらうこともありますが、日常生活の中でも改善する方法はあります。今回は、低血圧予防に最適で、手軽にできる運動を紹介します。
運動時は脱水に注意をし、適度位水分補給をすることを心がけましょう。

低血圧の人が運動するときに注意すべきこと

 運動をしているときというのは、全身の臓器がその影響を受けることになります。特に循環器系、呼吸器系、筋・骨格系はもっとも影響を受ける部位です。ふだんからけだるいなど、体調不良を訴えている低血圧の人が、急に運動をすると予期しない事態になることもあるので注意しましょう。

急で激しい運動を避ける
 運動自体、正しくおこなえば、低血圧にも有効な治療法となります。しかし、誤って行ってしまうと十分な効果を得ることができないばかりか、低血圧の症状を悪化させることもあるのです。具体的には、激しい運動をすることです。低血圧の人は血のめぐりが悪く、そのために日頃から倦怠感を覚えることがあります。そういったときに急に激しい運動をしてしまうと、ふだんからめまいを感じている症状が急に出てくることが多いのです。

 平常時においても血のめぐりが悪く、低血圧に悩まされている人が、急激な運動をすることでさらに血のめぐりが悪くなると、立ちくらみだけではなく、失神することもあるので注意しなければいけません。運動をしてはいけないというわけではなく、ウォーミングアップから徐々に身体を運動に慣れさせていくほうがよいというわけです。

一人での運動を避ける
 ふだんから、立ちくらみやめまい、身体の倦怠感に悩まされているといった低血圧の人は、運動を敬遠しがちです。しかし、適度な運動やスポーツは血流を促進してくれるのです。ですから、不規則に激しい運動をするよりも軽度な運動を定期的におこなうほうがいいでしょう。

 また、運動をするときは、不測の事態が起きる場合があります。ふだんからめまいや立ちくらみを起こすことがある人は特に、一人で運動するのではなくできるだけ二人以上、集団の中でゆっくりと運動することが望ましいです。

低血圧は運動で改善できる?

 低血圧の人によく見受けられることですが、足や腕などの末端部の血管の収縮力が弱い傾向にあります。そのため血液の循環が悪くなりがちなのです。心臓から出た血液は身体の隅々をめぐって心臓にもどってきます。それがもどりにくくなることがむくみの原因にもなるのです。

 足の場合では、血液の循環に大きな役割を果たしているのが、ふくらはぎの筋肉です。この筋肉を鍛えることで、血液のめぐりをよくすることができるので、低血圧を改善することができます。ここでは、低血圧の改善に効果のあるさまざまなトレーニングとその注意点なども説明します。

適度な運動は低血圧改善にいい
 低血圧の改善には、まずは適度な運動をおこなうようにしましょう。上述したようにふくらはぎの筋肉を鍛えるのはとても効果的です。鍛えるというと何か特別な運動をしなくてはいけないのでは?と思いがちですが、そうではなく、普通のウォーキングや階段の上り下りで十分です。階段の上り下りは実際にはかなりきつい運動になるので、無理せず実施するようにしましょう。

 過度な運動をおこなうことで、疲労が身体に蓄積してしまいます。低血圧の人の症状として疲労感がありますから、過度な運動はそれを助長し、さらに疲れやすい身体になったと感じることもあります。無理をせず疲れを引きずらないような、軽度な運動を心掛けるようにしましょう。

自宅で手軽にできるストレッチ
 室内では踏み台を用いて、踏み台昇降をするとよいでしょう。ただし、単調になりがちですから、ゆっくりとした動作で音楽を聴きながらおこなうと続けやすくなります。テレビを見ながらの運動などは避けましょう。視線がテレビにいってしまって、注意力が散漫になり、思わぬ転倒などをしてしまうことがあります。

 また、自宅に階段があれば階段の上り下りも十分な効果があります。ここでも転倒に気をつけましょう。また、ふくらはぎの筋肉をつけるためには、スクワットが非常に効果的です。たくさんの回数をおこなうと疲労を覚えてしまうので、最初は10回を3セットおこなうなど、少ない回数でおこなうようにしましょう。

外でおこなうトレーニング
 外でおこなうトレーニングは、まずはウォーキングから始めてみましょう。基本的に低血圧の人でしたらウォーキング程度で十分な運動になります。ウォーキングで疲労をそれほど感じない、低血圧も改善できたように感じたなら、次はジョギングに挑戦してみるのもいいでしょう。外でおこなうトレーニングのほうが、景色も変わり気分転換にもなるので、自宅よりも長続きする傾向にあります。

 自宅での運動と、外での運動を上手に組み合わせて、無理なく運動をおこなっていきましょう。

運動をおこなう上での注意点
 まずは軽度な運動で無理なくおこなうことが大切です。一過性のもので終わらせずに継続しておこなうことに意味があるので、無理をしないというのが、低血圧の人の運動に対する最大の注意点です。それでも、運動をしていく中で、めまいや動悸、さらには息切れが激しいときは、運動過多で身体が悲鳴をあげているときです。そのときは必ず医師に相談あるいは診察を受けるようにしましょう。

運動以外で心掛けるべきこと

 低血圧は、身体的なことを引き金として起こることもあれば、精神的な面が影響して起こることもあります。通常、低血圧症の治療は循環器内科でおこなうことが一般的ですが、診察結果によっては精神科などでの診察を勧められる場合があります。これは自律神経の問題が考えられるためで、低血圧は自律神経とも密接な関係にあることがわかります。

 低血圧症の改善には、運動以外で、生活のリズムを整えること、食生活を改善すること、そして心身ともにリラックスすることが大切です。

生活リズムを整える
 まず、睡眠をよくとるようにしましょう。朝の寝起きが悪い人は、低血圧のせいにしがちですが、単純に生活のリズムが狂っていて、寝不足が原因ということもあります。夜型の生活になっていることも、低血圧の人の傾向としてあげられることが多いので、まずは十分な睡眠時間を確保して、朝の寝起きをチェックしてみましょう。

 いずれにしても、低血圧を改善するためには規則正しい生活をおこない、生活のリズムを整えなくてはいけません。それが、低血圧を改善するための第一歩となるのです。

食生活を工夫する
 低血圧の人の傾向として、食欲不振などを理由に食事をきっちりとらない人が多いといわれています。そのため、栄養のバランスが偏ることが多く、1度の食事量も多くないので栄養不足になりがちです。低血圧を改善するために必要なのは、まずは3度の食事をきちんととることです。

 特に低血圧を改善するためには、タンパク質の摂取が有効とされています。そのため、肉類、魚類や納豆などの大豆食品などをしっかりと摂取するようにしましょう。あわせて低血圧の人はミネラルなども不足していますから、野菜や海藻類も積極的に摂取しましょう。

 また、水分を多めにとることで血液中の水分量を増やすことができます。

身体をリラックスさせる
 低血圧の人は身体に疲労感を覚えてしまうので、何をするにも億劫になってしまいます。身体が動かないと、気持ちも塞ぎがちになってしまうことも多いでしょう。そのようなときこそ、運動をするのがいいのですが、そういった気持ちにならないこともよくあるのです。そのため、音楽を聴くなど、何か気持ちを落ち着かせるものや、リラックスすることを心掛けるようにしましょう。身体をリラックスさせることで、次につなげる気持ちを持つことができるのです。

 身体を動かすことで、低血圧を改善する方法を紹介しました。また運動を継続するには、気持ちの問題を克服すること、さらには生活習慣を改めることなども必要になってきます。低血圧の改善にはトータル的なものが必要になってくるということになるのです。

自測自健とは

自分の体の状態を自分で測る。健康を保つための新習慣を考える

健康状態を知るためには、血圧や体重、体脂肪率など、さまざまなデータを測ること。
しかも、人間ドックや健康診断の時ではなく、毎日「自分で測る」ことが大切です。

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