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コーヒーやお酒は何時までダメ?健康診断前日と当日の注意事項

   

監修者プロフィール

伊藤メディカルクリニック院長
伊藤 幹彦 先生

東京医科大学卒業後、東京医科大学第2外科(心臓血管外科)入局。東京医科大学八王子医療センター心臓血管外科や東京警察病院外科医長などを経歴し、現在は伊藤メディカルクリニックの院長を務める。これまでの術者としての経験をもとに、全身管理の大切さをモットーとし、健康維持への貢献を目指している。

 健康診断の前日から当日までには、食事や飲み物に関する制限があります。注意事項をまとめたプリントが配布されることも多いのですが、きちんと把握できていますか?うっかりお酒を飲んでしまったり、タバコを吸ってしまったりすると、当日の検査が難しくなることもあります。健康診断前の食事や飲み物、過ごし方に関する注意事項を解説するので、ひととおり理解しておきましょう。

健康診断前日に制限されていることをチェック

 まずは、健康診断前日の制限事項を見ていきます。前日の夜間は、健康診断に影響が大きい重要なタイミングです。医療機関から特別な指示を受けていない場合でも、こんなところに気をつけましょう。

食事
 検診に行く12時間前までに夕食を済ませ、後は絶食します。食事内容も何でもよいわけではなく、消化がよいメニューを選択しましょう。脂肪分が多い肉料理、麺類、洋食といった消化に時間がかかるメニューは控えてください。きのこ・海草類など、繊維が多い食べ物も控えた方が安心です。

 胃腸の検査を行うときに内部が空っぽになっていないと、正確な検査結果が出にくくなり、検査が先延ばしとなるケースもあります。ケーキや和菓子のように砂糖をたっぷり使ったお菓子も、前日には控えたい食品です。血糖値や中性脂肪が高く出るおそれがあり、誤診断の原因となります。

アルコール
 健康診断の前日は、アルコールを控えます。アルコールの利尿作用で脱水症状を起こし、尿検査や血液検査の数値が変わるリスクが伴うためです。血液中のアルコール濃度はしばらく残ることから、1週間前からの禁酒を推奨する医療機関もあります。健康診断の日程が決まったら飲み会などの誘いはできる限り断って、当日に備えましょう。

 万が一アルコールを飲んでしまった人は、飲み過ぎないうちにソフトドリンクへと切り替えましょう。アルコールの分解速度は人によって異なりますが、量が少なく、分解時間が長いほど健康診断への影響が軽くなるためです。どうしても外せない飲み会があるようなら、乾杯くらいにとどめることをおすすめします。また、ソフトドリンクの場合も果実の繊維や粒などの入っているものは避けるようにしたほうが良いでしょう。

薬などの服用
 高血圧、てんかんなど持病があって薬を服用している人は、いつもどおりに服薬しましょう。その場合、内服薬は検査2時間以上前には済ましたほうがよいです。特にバリウムなどの検査のときは注意が必要です。不安に感じるようなら、かかりつけの医療機関に確認すると安心です。サプリメントは食事と同じ時間までに摂り、当日の朝は控えます。ビタミン剤など尿検査に影響が生じるリスクがあるサプリメントについては、受診予定の医療機関に相談しましょう。数日前から服用を中止するように指示があれば、そのとおりにしたがいます。

 風邪を引いているときは検診を延期するのが理想的です。風邪薬を飲まなければいけない状況になったら、日程変更を考えましょう。予約制をとっている医療機関だったら、先方への確認も必要です。仕事の都合などやむを得ない事情があれば、軽い風邪くらいは許容範囲という判断もありますので、「絶対にダメ」というわけではありません。

その他
 健康診断の前日は激しい運動を控えて、十分な睡眠時間を確保しましょう。いつもより早い時間に眠ろうと無理すると、かえって目がさえてしまう人もいます。健康診断前日だからといって特別なことは控えて、いつもの生活リズムを守りましょう。

 運動が影響を与えるリスクがあるのは、肝機能に関する数値です。AST(GOT)・ALT(GPT)など成人なら気にしておきたい数値が高くなり、指摘を受けるリスクがあります。健康診断に備えて急な運動を始める人もいますが、逆効果になりかねません。慢性的な運動不足の人が急に運動して筋肉に炎症が起こると、肝機能障害の疑いと診断されるケースもあります。

 健康診断は、今の身体の状態を把握するために行うもの。よい数値を出したい場合は、半年や1年など長期スパンの備えが必要です。一時的に取り繕って健康に見せようとは考えずに、リラックスして過ごしましょう。

健康診断当日の食べ物や飲み物に関する注意事項

 健康診断当日にも、守りたい注意事項がいくつかあります。食事や飲み物、アルコールなど、最低限知っておきたい内容を見ていきましょう。

食事
 当日の朝は、絶食です。飴やガムなどちょっとしたお菓子も含めて、検診が終わるまでは我慢しましょう。午後から検診がある人は「8時までに軽めの食事なら可能」など指定されるケースもあります。この場合も、なるべく軽くて消化がよく、お腹にずっしりこないものが安心です。指定された時間以降は、何も食べずに過ごしましょう。

飲料水
 飲料水は、受診する検査の種類によって異なります。一般的な健康診断だと「水やお茶なら可能」とされることも多いようです。飲み物なら何でも大丈夫というわけではありません。スポーツドリンクやジュース類は避けてください。ノンカロリーのジュースの中にも、糖分が入ったものはあります。カフェインも検査結果に影響するリスクがあるため、朝のコーヒーやカフェラテは控えましょう。

 胃部X線検査など特定の検査を受ける人は、水やお茶も含めて基本的には禁止です。当日の服薬がある人は、医療機関に確認しましょう。起床後すぐに少量の水で飲み、一定の時間をおけば、影響は軽くなります。空腹時に服用しても問題ないかも含めて、かかりつけの医師に相談すると安心です。

アルコール
 健康診断前はもちろんのこと、終わった後の飲酒にも注意しましょう。胃部X線検査を受けた後にお酒を飲むと、バリウムが固まって排出されないことがあります。また、アルコールの血管拡張作用も気をつけたいポイントです。胃カメラなど身体の中を調べる際にできた小さな傷から出血すれば、身体に負担がかかります。少なくとも当日はアルコール摂取を控えて、自宅でゆっくり過ごしましょう。

その他検査当日の注意事項

 食事や飲み物以外に気をつけたいことを紹介します。せっかく食事を我慢して出掛けたのに当日の検査ができないのは残念です。以下の注意点を守れば、安心して検診へと向かえます。

当日の服装
 当日の服装は、着脱しやすい衣服にしましょう。ゆったりとしたTシャツにさっと羽織れる上着を合わせるくらいがおすすめです。時計やアクセサリーなど小物類は最小限にした、シンプルな服装が適しています。そのほか、男女別の注意点は以下のとおりです。

 男性:仕事の合間に行く際には、スーツでも大丈夫です。検診用のTシャツを持参するように指定があれば、医療機関で着替えができます。Yシャツのまま受診すると着脱に時間がかかるため、忘れずに持参しましょう。

 女性:後ろにファスナーがついたワンピースは避けてください。ストッキングやタイツを脱ぐのに抵抗を感じる人は、靴下を履きましょう。検査の種類によっては、金属金具がついた下着を着用できないものもあります。キャミソールのストラップについているプラスチックもNGです。

持っていくもの
 必要な持ち物は保険証です。受診表、検査容器など医療機関から指定された持ち物は、案内にしたがってください。当日に検査費用の支払いも必要なので、ホームページに書かれた料金を持参しましょう。クレジットカードの対応は、医療機関によって異なります。現金の支払いとなっても困らないくらいの現金は持っていくと、カード払いができなくても安心です。

 健康診断の前日から当日までの注意点や過ごし方に関して紹介しました。我慢するのは大変ですが、自分の身体ときちんと向き合い、病気のサインをなるべく早く見つけるためには欠かせないこと。注意事項を守らなかったことで診断に支障が出ないよう、事前準備を徹底しましょう。

自測自健とは

自分の体の状態を自分で測る。健康を保つための新習慣を考える

健康状態を知るためには、血圧や体重、体脂肪率など、さまざまなデータを測ること。
しかも、人間ドックや健康診断の時ではなく、毎日「自分で測る」ことが大切です。

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