「自測自健(じそくじけん)」のススメ

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入社前の健康診断は無料!雇入時の健康診断で知っておきたいこと

   

監修者プロフィール

伊藤メディカルクリニック院長
伊藤 幹彦 先生

東京医科大学卒業後、東京医科大学第2外科(心臓血管外科)入局。東京医科大学八王子医療センター心臓血管外科や東京警察病院外科医長などを経歴し、現在は伊藤メディカルクリニックの院長を務める。これまでの術者としての経験をもとに、全身管理の大切さをモットーとし、健康維持への貢献を目指している。

 希望の会社への就職が決まり会社に入る準備を進めるなかで、健康診断の費用でふと疑問に思う人もいるかもしれません。1万円前後の出費が必要ではありますが、じつは雇入時健康診断の費用負担を無料にできる会社も多いので心配することはありません。今回は、雇入時健康診断を受ける方法と注意事項について説明します。

入社時の健康診断は無料で受けられる

 常時使用する労働者を雇用したときの健康診断は、労働安全衛生法で定められた事業者の義務です。もちろん義務ですから、費用負担は事業者とするのが一般的な解釈です。したがって、本人がいったん立て替えるにしても、事業者からの返金を受けることができます。

受診費用の負担者について
 雇入時の健康診断対象者には、正社員の週所定労働時間の4分の3以上働くパートやアルバイト、1年以上雇用する予定のある契約社員などが含まれます。正社員以外でも健康診断費用を負担してもらうことができるケースは多いので、社内の担当者に聞いてみましょう。なお、会社が指定する項目以上に精密な検査を行った部分の費用は自己負担とされるのが一般的です。転職を機にくわしい検査を受けておくこと自体はよいことですが、自己負担が高額となるケースもあります。できるだけ費用を抑えたいなら、必要最小限の項目だけにとどめてましょう。

 では、かかった費用を会社に負担してもらうために守るべき注意点はあるのでしょうか。もしも各自が受診して事後精算する方法だったら、領収書を受取りましょう。領収書に関して、宛名・但し書きなどの指定があれば、会社の指示のとおりに記入を依頼します。健康診断費用に限ったことではありませんが、会社の経費精算には数字の根拠が必要です。日付や宛名、金額が入った領収書を出すことで「確かに支払った」という証拠として処理することが可能になります。領収書の発行を忘れてしまうとトラブルになりがちなので気をつけましょう。

 一部の会社では「労働者が健康診断書を提出したときは、健康診断を行う必要がない」といった旨の条文を逆手にとり、受診費用を自己負担とすることもあります。健康診断を行うことは会社の義務でも、費用負担まで明確に義務化されているわけではないからです。これから働く会社との対立は労働者にとっても望ましいことではなく、冷静な対応が求められます。「健康診断費用を負担してもらえなかったから法律違反」というわけではないことは理解しておきましょう。

健康診断を受けるにあたって必要なもの
 会社指定の健康診断書があれば、医療機関に提出します。健康診断は保険のきかない自費診療となりますが、保険証を持っていくと安心です。そのほかに医療機関が指定する持ち物があれば、忘れずに持参します。公式ホームページに持ち物の記載がなければ、予約の電話を入れた際に聞いておくのがよいでしょう。

健康診断書を取得する方法

 会社のなかには内定が出る前から、健康診断書の提出を求めるケースがあります。健康診断書とは、健康診断を行った事実と結果を書面にまとめて、記録に残す書類のことです。書式や有効期限、取得方法に関して、基本的な内容をおさらいしましょう。

医療機関から取得する
 健康診断書を取得するには、医療機関に依頼します。雇入時健康診断を受けられる施設の窓口で伝えれば対応してもらえるはずです。健康診断の対応時間や曜日が決まっていることも多いので、ホームページや電話、問い合わせ窓口で確認しましょう。健康診断にかかる費用は、医療機関によってまちまちです。なるべく安い医療機関を選択すると、精算までの金銭的な負担は軽くなります。

 医療機関の探し方ですが、会社からの指定があれば、そのとおりに従いましょう。指定の医療機関がない場合は、受診者が自由に選択できます。小さい施設ではすべての検査項目を行うことができないこともあり、二度手間になりかねません。予約の時点で雇入時健康診断を受けたい旨を伝えて、対応可否を確認しましょう。

 以下に、雇用時健康診断の必須項目を列記します。以下の検査がすべてできる医療機関への申込みが必要です。

 既往歴や業務歴の調査・自覚症状や他覚症状の有無・身長、体重、視力、聴力・胸部X線検査・血圧・貧血検査・肝機能検査・血中脂質検査・血糖検査・尿検査・心電図検査

 既往症や業務歴、自覚症状などについては、問診で話した内容が反映されます。健康診断書に記載する必要があるかについては、医師の判断です。気になることはすべて伝えておきましょう。

健康診断書の形式
 健康診断書の形式は、会社指定の書き方に従います。特別な指定がない場合は、医療機関が使っている書式を採用するのが通例です。雇入時健康診断を頻繁に受け入れている施設なら、スムーズに対応してくれます。形式に関してもしっかりとした知識を持っているはずですから、心配は不要です。

 健康診断書の作成には、一定の費用がかかります。診断費用と合わせて領収書を受取り、会社で精算するときに一緒に提出しましょう。検査結果が出るまでに日数がかかるものがあれば、健康診断書を当日に受け取ることは難しいです。指定された日時に再度医療機関を訪問して、健康診断書を受け取りましょう。書類の提出期限間際に検査を受けると間に合わない場合もあります。できるだけ早く医療機関を受診して、書類を準備すると安心でしょう。

健康診断書の有効期限
 健康診断書の有効期限は3ヶ月とするのが一般的です。前職で受けた期限内の結果が手もとにあれば、あらためて受診する必要はありません。会社によっては「6ヶ月以内のもの」などの条件を採用している場合もあるので、担当者に確認しましょう。

入社前の健康診断を受けるにあたって知るべきこと

 健康診断を受ける時期や記入内容、受診当日の服装などを紹介します。入社した会社でよいスタートを切るためにも、事務的な手続きはきちんと行いたいものです。

健康診断を受ける時期
 入社時の必要書類に健康診断書が含まれている場合は、内定から入社を待つ間に検診を受けるようにしましょう。健康診断書の発行に時間がかかることまで考慮すると、早めの受診がおすすめです。会社によっては、各自に受診させる方法ではなく、入社後一斉に健康診断を実施している会社もあります。入社間もなく健康診断の案内が来るはずですから、指定された日時で受診しましょう。

健康診断書に記入する内容
 健康診断書には、法定項目の診断結果や医師の診断、検査日、担当医師の氏名などが記入されます。本人が記入する箇所はないため、受け取ったものをそのまま会社に提出すれば大丈夫です。医療機関から封筒に入った状態で渡された診断書をそのまま会社に手渡しましょう。

健康診断を受診する際の服装
 健康診断に行くときの服装に関しては、入社準備とはいえ会社を訪問するわけではないので、私服で問題ありません。着替えに時間がかかる服は、周囲に迷惑をかけてしまうリスクがあるので避けましょう。男性ならシンプルなTシャツやカットソーと長ズボン、女性ならカーディガンやアンサンブルにスカートもしくは長ズボンなどがよいでしょう。

 貴重品の管理は自己責任ですから、貴金属のアクセサリー類などは最小限にしておくと安心です。もし総合病院で健康診断を受ける場合は、荷物はなるべく少なくまとめること。というのも、院内の移動が多くなるためです。荷物は持ち歩きに困らない量にしておくと移動がしやすいでしょう。また、履物については、ハイヒールや革靴、ブーツなど歩きにくい靴ではなく、スニーカーやスリッポンをおすすめします。

 入社前の健康診断を無料にできる理由や健康診断書の取得方法について紹介しました。新しい会社で気持ちよくスタートを切るためにも、きちんと準備を進めましょう。

自測自健とは

自分の体の状態を自分で測る。健康を保つための新習慣を考える

健康状態を知るためには、血圧や体重、体脂肪率など、さまざまなデータを測ること。
しかも、人間ドックや健康診断の時ではなく、毎日「自分で測る」ことが大切です。

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