「自測自健(じそくじけん)」のススメ

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ベッドスマホって、ぶっちゃけどう?子どものための「睡眠教育」とは

 LINEにインスタにゲーム。もう寝なきゃと思いつつ、ついスマホに夢中になってきょうも夜更かし……。睡眠が乱れがちな子どもたちをサポートし、生活改善に役立ててもらうための活動が教育現場で広がっています。睡眠教育の実践者いわく、睡眠とは「大人になっても自分の核となる大切なこと」。睡眠を「自分ごと化」させるプログラムとは、いったいどんなものなのでしょうか?

 父、母、私が「川の字」で寝ていた昔。布団に入ってその日にあった楽しいことや悔しいことなどを話しながらいつのまにか眠りに落ちてしまう。父のいびきや母の歯ぎしりが気になりながらも、家族の温もりを感じて眠っていた日々が懐かしい。

 いま、多くの子どもたちが「掌の温もり」を感じながら眠ります。LINEやInstagram、Youtubeやパズドラなど、寝る直前までスマホがやめられません。掌から何百、何千の人や無数のコンテンツへとアクセスすることができ、LINEの未読件数やYoutuberの新作動画を追いかけていれば羊を数えられるはずもありません。好奇心旺盛な子どもたちは、学校、部活、習い事、塾とこなして、家に帰れば眠る直前までスマホを触ります。大人も子どもも睡眠時間が少なくなっていることは確かです(表1)。

平成26年版厚生労働白書 平均睡眠時間の推移(15歳以上)

 そんな社会課題に焦点を当てて取り組んでいるのは、睡眠改善インストラクターであり、NTT西日本で睡眠サポートプロジェクト「Peels」を立ち上げた山下福太郎さんです(33)。「Peels」では、睡眠知識を身につけ、睡眠習慣を整えるための睡眠教育コンテンツを提供するなどして、よりよい睡眠をとることをサポートしより生き生きと過ごせる社会をつくることが狙い。

睡眠サポートプロジェクト「Peels」を立ち上げたNTT西日本の山下福太郎さん

 今年の4~7月、北海道の札幌新陽高校では「よい睡眠を取るために〇〇を本気でやってみた!」というテーマでPeelsプロジェクトと連携したPBL(プロジェクト型学習)の授業が行われ、探求コースの生徒24人が参加しました。

 イベントでは、「よい睡眠を取る」アイデアを生徒が自由に発想し、仮説検証を行い、最後にはチーム対抗の動画によるプレゼンで競い合いました。アイデアは「ストレッチをして寝る」「落ち着いた曲を聞いて寝る」から、「大学の講義を聞いて寝る」「納豆やわさびの匂いを嗅いで寝る」まで、高校生ならではの柔軟なアイデアが次々登場。生徒たちは出てきたアイデアを仮説検証するため自らが実践し、それぞれのアイデアが睡眠の質、量にどれだけ影響したのか、睡眠センサーを使って睡眠時間や睡眠の深さを測定して数値で表しました。プレゼンでは、各チームから個性あふれる動画が発表され、二倍速再生や効果音、繰り返しなどYoutuberさながらの演出もあって、大いに盛り上がりました。

札幌新陽高校の生徒たちによるアイデア出し。発想がおもしろい!

 ワークショップ後の感想として、「睡眠を意識するようになった」、「しっかり寝るようになった」、「寝る前にスマホを触る時間が減った」、「睡眠の質を上げるためにもっと色々試してみたい」、「実際にやってみることで、自分のかもしれないが確証に近づいて面白い」、といった声があり、日頃の生活にもプログラムの効果が及んだことが確かめられました。

 さて、もしあなたのお子さんが、ベッドの中でスマホをずっといじっていたらどうしますか?強制的に取り上げたい気持ちはよくわかります。ですが、Peelsの活動のように、子どもたち自身で「睡眠」に対する興味を持ち、意識を高めることができれば、自ずと折り合いをつけることができるようになるでしょう。身近なことを題材に学ぶことで、子どもたちは没頭し、「自分ごと化」しやすくなるのです。山下さんは「睡眠をどう確保していくかは、人生の約1/3の時間をどう全うするかというタイムマネジメントであり、人生哲学。大人になっても自分の核となる大切なこと」と強調します。

生徒たちがつくった動画の一コマ。上から目線で「教える」よりも、自分で「学ぶ」ことが大切!

 睡眠不足は体に悪いことはわかっているものの、ついつい夜更かししてしまうもの。まずは、親子で睡眠の意識を高めるため、数多く出ている睡眠アプリを使い、睡眠の質・量を測ってみることから始めてはどうでしょうか?「自分研究」と位置づければ、モチベーションも長く続くはずです。

(「『自測自健』のススメ」編集部 梅田 実)

自測自健とは

自分の体の状態を自分で測る。健康を保つための新習慣を考える

健康状態を知るためには、血圧や体重、体脂肪率など、さまざまなデータを測ること。
しかも、人間ドックや健康診断の時ではなく、毎日「自分で測る」ことが大切です。

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