「自測自健(じそくじけん)」のススメ

  • TOP
  • コラム
  • 健康診断で再検査の診断を受けた時の対応について

健康診断で再検査の診断を受けた時の対応について

 健康診断を受けて再検査が必要と通知されたら、指示にしたがって都合の良い日に検査を受けに行かなければなりません。ここでは健康診断の再検査に関わる「判定区分」の内容と、再検査の注意点などについて詳しく説明しています。

監修者プロフィール

伊藤メディカルクリニック院長
伊藤 幹彦 先生

東京医科大学卒業後、東京医科大学第2外科(心臓血管外科)入局。東京医科大学八王子医療センター心臓血管外科や東京警察病院外科医長などを経歴し、現在は伊藤メディカルクリニックの院長を務める。これまでの術者としての経験をもとに、全身管理の大切さをモットーとし、健康維持への貢献を目指している。

 健康診断では、それぞれの患者さんの健康状況が判定されます。判定は項目ごとと総合的に判断されます。そのため、場合によっては、再検査の判定を受けることもあります。

 ここでは、健康診断で再検査の診断を受けた場合の対応と、判定区分について詳しく紹介します。

通常の健康診断と再検査との違いは?

 健康診断の結果で再検査が必要と書かれている場合は、改めて医療機関での診断が必要になります。一般的な流れとしては、以下の通りです。

・予約
健康診断を行う医療機関、または精密検査ができる医療機関に予約を入れます。検査の内容によっては時間がかかるおそれがあるため、スケジュールにゆとりをみて1日の予定をあけておくことをおすすめします。

予約の際には、必ず健康診断で異常と書かれた項目を伝えましょう。「健康診断の結果をお持ちください」と指示された場合は、結果の紙を当日医療機関に持参してください。

・診察当日
健康診断とは異なり、再検査や精密検査は通常、保険診療となります。保険証、健康診断の結果、精密検査依頼書(検査結果に同封されている場合)を持参し、医師の診察を受けましょう。

結果によっては、精密検査(MRIやCT検査など)をする必要があります。健康診断と同じ検査内容でも検査方法や撮影方法が異なり、より精密に判定されます。検査内容によっては食事制限などが必要になるケースもあるため、当日検査が実施できない場合は後日となります。

検査の結果は健康診断と同じく、後から書面で通知されますので、そちらの結果次第で治療か、経過観察かを判断することになります。

・再検査時の注意点
医療機関によっては、胸部X線、腹部超音波などは指定された日時にのみ実施されるため、予約が取りにくくなっているケースも。また、「朝食をとらないように」と指示されたり、事前に採尿のための容器を渡されたりしたときは、前日や当日に準備をしておきましょう。

尿検査を受ける方は、検査数値に影響を与えるサプリメントの服用は避けましょう。牛乳やスポーツドリンク、ジュースなどの清涼飲料水なども、血糖・中性脂肪・肝機能などの数値が変わってきます。喉が渇いた場合は、水やお茶など糖分の入ってないものを飲むようにしましょう。

治療中の薬の服用に関しては、かかりつけ医に確認する必要があります。女性は生理中を避け、万が一重なった場合は日時を変更して検査を受けてください。

健康診断における「判定区分」とは?

 健康診断の“判定区分”とは、生活習慣などについて異常がみられないかを判定するレベル分けのことを指します。

 一目で自分の健康状態や病気の様子が判断できるように設定されたもので、A(異常なし)以外の判定が出た場合は、それぞれのレベルにしたがって治療や検査を行うことになります。

 ここでは、日本予防医学協会が定めているA1~R1までの10段階評価で判断されるケースについて紹介します。

・A1:異常なし
いわゆる「所見のない」状態です。特に異常や疑わしい箇所がみられないということで、すべてが正常値の範囲内に収まっていると判断できます。

・A2:有所見健康
治療を行った後、または処置が不要とされる点がありますが、日常生活に支障をきたさない範囲なので健康と判断できます。

・A3:生活注意
生活習慣が原因と思われる軽い所見があり、生活の改善によって病気を予防することができます。

・B1:要経過観察
服薬などの必要はありませんが、基準範囲を超えている部分がみられます。健康診断を毎年必ず受診し、体調に変化が起きたときは医療機関を受診してください。特に血圧でB1と表示されている場合は、普段から自己測定を行って、積極的な血圧管理が推奨されます。また、「B1-03」「B1-06」といった表示がみられる方は、3ヵ月・6ヵ月ごとに医療機関で経過観察を行いましょう。

・B2:経過観察中
問診で病院にかかっていることを伝えている場合に、この判定となります。定期的な健康管理や検査を行っていることを示します。

・G1:要再検査
基準範囲を超過しているデータが見受けられますが、一時的に数値が変動している可能性もあるため、再検査が必要となります。

・G2:要精密検査
こちらも基準範囲を大きく超えるデータが見受けられます。治療の必要性を判断するために詳しく検査する必要があります。

・C1:要医療(要治療)
専門医による医療措置が必要です。項目ごとにG1~C1の範囲で判定された場合、健康診断の結果を持参したうえで相談することをおすすめします。

・C2:加療中(治療中)
すでに医療機関に通院しており、治療を受けているため、引き続きかかりつけ医の指示にしたがいましょう。

・R1:判定不能
検査に検体の状態が適していないため、判定ができなかった場合に表示されます。

 判定区分にはほかにも、5段階評価などの種類があり、読み方が複雑に感じられるかもしれません。しかし、要治療、要精密検査などと表記されている場合は医療機関に早めにかかっておくことをおすすめします。どの項目について記入してあるかを確認し、自分自身の健康上のウィークポイントや検査が必要な部分を確認しましょう。

 医療機関によっては判定がついてこず、担当医から直接結果を聞く場合もあります。結果報告の面談では、その場で今後どうするのか相談することもあるので、しっかりと内容を聞いて納得のいく方針を立てましょう。

再検査は絶対無視してはいけない

 「再検査」「要精密検査」と判定が出た場合は、その通りに検査を受けなければなりません。病気の発見が遅れると治療に時間と費用がかかり、仕事や生活に影響を与えるおそれがあります。

 指示が出ていてもスケジュールの関係で治療が受けられないという方も少なくありませんが、最低でも検査結果の通知から3ヵ月以内には病院を受診しましょう。万が一病気が体の中に潜んでいて長期間放置していると、症状が進行する可能性もあります。病状が悪化すると業務に支障をきたしてしまい、産業医によりやむなく制限がかけられることもあります。健康診断後の精密検査は義務ではなく、受診するかどうかは個々人の判断に任されています。しかし、自分は大丈夫、という独断が後々取り返しのつかない事態を招いてしまう可能性もあるのです。早期発見早期治療のためにも、判断を間違えないようにしましょう。健康状態の悪化が疑われるときは早めに医療機関を受診し、適切な検査と治療を行い、業務に集中できるよう体調を整えていきましょう。

自測自健とは

自分の体の状態を自分で測る。健康を保つための新習慣を考える

健康状態を知るためには、血圧や体重、体脂肪率など、さまざまなデータを測ること。
しかも、人間ドックや健康診断の時ではなく、毎日「自分で測る」ことが大切です。

関連記事