「自測自健(じそくじけん)」のススメ

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健康診断にかかる所要時間を検査項目ごとに徹底解説

 会社などで受ける一般健康診断は、身長や視力などの通常の検査項目を中心に検査し、後日結果が通知されます。検査は待ち時間にもよりますが、1時間程度が基本。しかし、状況によってはそれ以上かかる場合もあります。ここでは、健康診断にかかる所要時間や検査項目、がん検診の所要時間、健康診断の注意事項について詳しく紹介しています。

監修者プロフィール

伊藤メディカルクリニック院長
伊藤 幹彦 先生

東京医科大学卒業後、東京医科大学第2外科(心臓血管外科)入局。東京医科大学八王子医療センター心臓血管外科や東京警察病院外科医長などを経歴し、現在は伊藤メディカルクリニックの院長を務める。これまでの術者としての経験をもとに、全身管理の大切さをモットーとし、健康維持への貢献を目指している。

 会社や団体などに勤める方は、1年以内に1回行われる一般健康診断(一般健診)を受診します。ここでは診察の内容や所要時間など健康診断を受ける際の注意点についても説明します。

一般健診(一次健診)にかかる所要時間は1〜2時間程度

 労働安全衛生法66条にもとづき、事業者は職種にかかわらず常時雇用者に対し、健康診断を実施しなくてはいけません。入社前、検便のみの診断や、海外への出張派遣時の健診なども含まれます。

 こうした一般健診の所要時間は人間ドックなどの詳細な検査に比べてやや短く、トータルで1時間から長くても2時間程度です。

 ただし、所属している健康保険組合によって検査項目が異なることがあるため、時間はあくまでも目安です。通常、何も問題がなければ一次健診のみで終了しますが、専門医から異常があると判断された場合は二次健診に入ることもあります。

一般健診の検査項目は以下の通りです。

*既往歴・業務歴の調査
*自覚症状および他覚症状の有無の調査
*身長・体重・視力・聴力・腹囲の検査(聴力は1,000Hz・4,000Hz)
*胸部X線検査
*心電図検査
*血圧測定
*血糖検査
*貧血検査(血色素量・赤血球数)
*肝機能検査(GOT・GPT・γ-GTP)
*血中脂質検査(LDLコレステロール・HDLコレステロール・血清トリグリセライド)
*尿検査(尿の糖・蛋白)

 既往歴や業務歴の調査は、問診票に基づいて医師の質問に答えていきます。既往症がある場合は、現在の状態とかかりつけの病院での経過状況を伝えましょう。既往症とは、現在は治っていても、以前かかったことがある病気のことを指します。手術や入院をするような大きな病気について問われることがほとんどです。

近親者の病歴の確認もしておこう

 また、問診では自覚症状や他覚症状があるか、当日の体調や喫煙や飲酒などの生活習慣についても尋ねられます。問診票には遺伝的な病気のリスクを判断するために家族の病歴を記入する欄もあります。ガンや生活習慣病(高血圧・糖尿病・コレステロール・中性脂肪が高いなど)に加え、脳卒中、心筋梗塞、不整脈が中心になります。両親、兄弟・姉妹だけでなく、祖父母の病気を聞かれることもありますので、健康診断の前に近親者に病歴について確認しておくといいでしょう。

 身長や体重の計測では、肥満の程度、生活習慣病の兆候がないかを確認します。基準値から外れていると生活習慣病や栄養不良などの可能性が考えられるため、生活改善を勧められます。

 視力については近視・遠視・乱視などの異常を調べて終了しますが、加齢にともなって現れる白内障の診断にも役立つでしょう。

 聴力は一般的に4,000Hzの高周波と1,000Hzの低周波をそれぞれ用いて、耳の聴こえをチェックします。万が一難聴が疑われる場合は、別途専門医での検査治療をすすめられます。

 胸部X線検査や心電図検査は、心臓の鼓動が正確であるか、病的な雑音がないかを調べます。異常がみられた場合は画像検査などでさらに精密に検査をします。

尿検査では糖の量や蛋白の状況をチェック

 血圧測定では、基準値から外れていないか、動脈硬化症や心疾患などにつながる兆候がないか調べます。

 血液の診断では、血糖値や赤血球数で血液の状態を調べます。脂質の量や構成もチェックし、生活習慣病につながる可能性がないか確認します。血液の成分を調べれば肝機能検査と合わせて行うことができるので、血液の採取のみで時間はかかりません。

 尿検査では、糖の量や蛋白の状況を確認するものです。前日に尿に影響の出る食べ物や健康食品、薬などを服用していないことが条件となります。

 結果は後日受け取ることが多く、健康診断当日に時間がかかることはありません。

がん検診にかかる時間は?

 次に、各種がん検診の所要時間について紹介します。がん検診は、検査する場所によって内容や所要時間が異なります。

胃がん検診…問診・胃カメラによる内視鏡検査もしくはバリウム検査(胃部X線撮影)が必要。所要時間:1.5時間程度。

肺がん検診…問診・胸部X線撮影・喀痰細胞診(痰を採取し、顕微鏡で調べる検査)。所要時間:30分〜1時間程度。

大腸がん検診…問診・便潜血検査・大腸内視検査・注腸X線検査・CT検査、MRI検査など。所要時間:約2時間程度。

乳がん検診…問診・マンモグラフィ。所要時間:30分程度。

子宮頸がん検診…問診・視診・内診・頸部細胞診。所要時間:10分程度。

健康診断を受ける日に注意するべき5つのこと

 健康診断を受ける際、前もって準備が必要な場合があります。状況によっては別の日に診断を受け直すことになってしまいます。

1.前日の飲酒・喫煙は控え、体調を整えておく

健康診断では、検査への影響を避けるため、前日に飲酒したり喫煙したりすることは避けましょう。絶飲食の時間は受診する検査内容によって変わってきますので、事前に共有されている指示通りに動きましょう。

 サプリメントなどの栄養剤は尿検査に影響が出てしまいますので、摂取を避けましょう。高血圧や心臓病、糖尿病など、服用を中止すると危険な内服薬に関しては、かかりつけ医に健康診断前日の服薬について相談しておくと安心です。

2.具合が悪い場合は早めに相談を
健康診断で具合が悪い、または当日に具合が悪くなった場合は看護師などスタッフに相談を。無理をせず、早めに相談を行いましょう。もちろん体調を崩した状態で来院することはおすすめできません。

 具合が悪い、熱がある、吐き気がするといった場合は当日に健康診断を行う医療機関に連絡し、別日に振り替えてもらえるか確認を行ってください。

3.生理中は尿検査などができない
女性の場合、一般健診と生理日が重なってしまうと尿検査や便潜血検査、子宮頸がん検診を受けることができません。

 健康診断当日は受けられる項目のみ検査し、別日に改めて検査を行うことになります。生理が終わってから、改めて尿を提出したり検査日を変更したりすれば問題ありません。

4.動きやすく着替えやすい服装で受診する
健康診断を受けるときには、私服でも動きやすく着替えやすいものを選びましょう。カットソーやTシャツなど、ボタンがなくすぐに脱ぎ着できるものが便利です。女性はストッキングや複雑なデザインの服は避けましょう。CT検査ではアクセサリーを外すように指示されるので、あらかじめアクセサリー類は外しておくとスムーズです。

 総合病院など、健康診断を受ける場所では何度も場所を移動して検査を受けることになります。置き忘れや盗難を防ぐために、荷物は肌身離さずに。貴重品の管理は自己責任なので、持ち運びのしやすいショルダーバッグなどに入れておくと便利です。手荷物の量も、なるべく少なくまとめるようにしましょう。

 履物についてはハイヒールなど、かかとの高い靴は階段の段差が危険なためおすすめできません。歩きやすいスニーカーやスリッポンなどのフラットな靴が安心です。

5.オプション検査の追加について
医療機関によっては、通常の健診に「オプション検査」をプラスできます。血液検査に「ヘモグロビンA1c」を加えたり、血液による腫瘍マーカー検査を行ったりできます。 また、「骨密度測定」「肝炎検査」、肝臓・胆のう・腎臓などを検査する「腹部超音波検査」も行うことができます。

 これらの検査を加えると、トータルの検査時間が長くなります。検査日はスケジュールに余裕をもって来院しましょう。

 健康診断は、健やかに暮らすうえで欠かせない検査です。どの検査にどれくらいの時間がかかるかを把握しておき、スムーズな診断を心がけましょう。

自測自健とは

自分の体の状態を自分で測る。健康を保つための新習慣を考える

健康状態を知るためには、血圧や体重、体脂肪率など、さまざまなデータを測ること。
しかも、人間ドックや健康診断の時ではなく、毎日「自分で測る」ことが大切です。

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