「自測自健(じそくじけん)」のススメ

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健康診断直前に風邪をひいてしまった時の3つの注意点

 健康診断の日に風邪をひいてしまい、症状が重いときは無理をせずに家で安静に過ごさなければなりません。ここでは、風邪にかかったときの3つの注意点、風邪が診断結果に与える影響について紹介しています。

監修者プロフィール

伊藤メディカルクリニック院長
伊藤 幹彦 先生

東京医科大学卒業後、東京医科大学第2外科(心臓血管外科)入局。東京医科大学八王子医療センター心臓血管外科や東京警察病院外科医長などを経歴し、現在は伊藤メディカルクリニックの院長を務める。これまでの術者としての経験をもとに、全身管理の大切さをモットーとし、健康維持への貢献を目指している。

 健康診断の前日は食事や睡眠に注意し、ベストな状態で翌日に臨みたいところ。しかし、もし風邪をひいてしまったらどうすれば良いのでしょうか。

 ここでは、健康診断直前に風邪をひいたときの注意点を3つピックアップ。さらに風邪をひいた場合の診断結果への影響も詳しく紹介しています。

血液検査や聴力検査に影響が出るケースも

1.健康診断は意外と労力のかかるもの
健康診断を受ける際は、医療機関まで直接足を運ばなければならないので、労力がかかります。

 また、当日院内では薄い患者衣(診察着)に着替えて1時間から2時間程度過ごします。そのため、風邪をひいて体力が弱っている状態だと、症状が悪化する恐れもあるでしょう。加えて、当日はいろいろな検査場所を回るので、意外に体力を使うものだということも頭に入れておきたいところです。

2.体調によっては延期を考えよう
どんなに気をつけていても、健康診断当日に風邪をひくこともあります。軽い風邪であれば、健康診断を受けることは可能ですが、本来であれば、風邪は人にうつさないようにするのがマナー。会社の健康診断は基本的に集団実施で、限られた時間に多くの人がやってきます。風邪を広めないためにも、無理をせずに後日に回すほうが適切です。

 不安な場合は医療機関に電話で現状を伝えて判断を仰ぎましょう。もし受診日を変更するのであれば、健康診断を予約している機関に連絡をして、日程を調整する必要があります。

3.風邪で検査結果に影響が出る可能性もある

健康診断は、心身の状態を的確に判断するために受けるものです。風邪をひいた状態で診断を受けると、検査結果に影響が出る可能性があります。

 例えば、発熱している時は白血球の数が増え、血液検査の結果に影響が出るケースがあります。白血球は普通に生活しているぶんには、急激に増えることはありません。しかし体を守る免疫のシステムなので、体外から異物が侵入すれば、当然その異物を排除するために増殖してしまうのです。

 風邪をひいて尿路感染が起きているときは、潜血や尿蛋白が出ることも。もちろん風邪で必ず潜血や尿蛋白が出るわけではありませんが、過去に経験がある方は別の日に振り替えることをおすすめします。

 また、風邪をひいているときは、本人が知らないうちに「中耳炎」を起こしている場合もあります。中耳炎とは、耳管の機能が低下して水が溜まるトラブルのことで、耳が聴こえづらくなりふさがっているような感覚が続きます。もしもこの中耳炎の症状が出ていたら、聴力検査にも影響を及ぼしてしまうのです。

 さらに、風邪をひいていると胸部X線検査に異常が見つかるケースがあります。これは、風邪によって気管支炎や肺炎を発症している状態です。

 高熱が出ているときはもちろん体温や血圧にも影響しますし、ベストな結果が出ないおそれがあるので、無理をするのは望ましくありません。

 風邪の症状が軽度の場合、病院スタッフや看護師に症状を伝えるか、問診票に記載して健康診断を受けましょう。問診票にはいつごろ罹患したかについても書いておきましょう。

栄養ドリンクや風邪薬が診断結果を左右することも

 軽度の風邪で健康診断を受診する場合は、風邪薬の服用に注意しましょう。風邪薬のようにビタミンCを含む薬は、尿検査に影響を及ぼす可能性があります。そのため、異常がないのに陽性と判断されることもあるのです。

 同様に、ビタミンCが含まれているサプリメントや栄養ドリンクを風邪による疲労を回復させようと摂取している場合も、診断結果に影響が出る可能性があります。これらを服用している場合は、必ず医師や病院スタッフにその旨を伝えておきましょう。

 風邪をひいた状態は、軽度であっても身体が弱っています。そのため、健康診断を受けに病院に行ったことが原因で、他の感染症にかかってしまう恐れもあります。インフルエンザをはじめとした病気をもらわないためにも、軽度の風邪でもマスクを着用するようにしましょう。

 マスクの着用は他の受診者のためでもあります。無闇に風邪を蔓延させないうえでもマスク着用は欠かせません。

 風邪が治ったとしても、風邪薬を2、3日服用していたのであれば健康診断で肝機能障害と診断される可能性があります。これは風邪薬に含まれる解熱、鎮痛効果を担うアセトアミノフェンなどが原因で起こるとされています。

 当日に風邪が治っていたとしても、薬を服用していたことを医師や受付で伝えるようにしましょう。

健康診断を受ける前には体調管理をしっかりとしておく

 健康診断を受ける前には健康管理をしっかりと行い、ベストコンディションで受けられるよう体調を整えておきます。それでも風邪の症状が出てしまったときには、受診しても問題ないか身体と相談し、不安な方は医療機関に直接相談をしましょう。繰り返しにはなりますが、発熱や下痢の症状があり来院が難しいときは思いきって受診日の延期を考えてください。

 いずれにしても無理は禁物。自分の体と、まわりの方の健康を守るためにも、健康第一で検査を受けるようにしてください。

自測自健とは

自分の体の状態を自分で測る。健康を保つための新習慣を考える

健康状態を知るためには、血圧や体重、体脂肪率など、さまざまなデータを測ること。
しかも、人間ドックや健康診断の時ではなく、毎日「自分で測る」ことが大切です。

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