「自測自健(じそくじけん)」のススメ

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自宅で受診、薬は郵送で スマホを使った高血圧治療サービスがスタート

 「血圧が最近高めで気になるけれど、病院に行く時間がない……」。でももし、インターネット上で気軽に医師の治療を受けられるとしたらどうでしょう? 高血圧の患者と医師とをネットでつなぐオンライン治療支援サービスが始まりました。

 日本高血圧学会が定める「高血圧」の基準は、最高血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、最低血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上の人。この基準に当てはまる高血圧の人、つまり高血圧患者は日本に約4300万人いるとされています。そのうち、通院などで血圧を適切にコントロールできているのは約1200万人にとどまるそうです。

 高血圧は脳卒中や心筋梗塞につながる恐ろしい生活習慣病。多くの人がそれを知っているのに……通院できていないのはなぜなのでしょう? 高血圧の治療を中断した人76人にその中断理由を尋ねた調査(T-CARE Survey Plus、複数回答)によると、もっとも多かった回答は「通院などの時間的な負担が大きかった」(31.6%)でした。

 こうしたニーズに応える、高血圧専門のオンライン診療支援サービス「テレメディーズ®BP」が5月15日からスタートしました。サービスの運営主体は、高血圧専門医の谷田部淳一・東京女子医科大学講師が代表理事を務める一般社団法人テレメディーズ。また医療機器メーカーのオムロンヘルスケアが血圧計などを提供し、インターネットメディア事業を手がけるポートがサービス開発などで連携しています。

「テレメディーズ®BP」の利用イメージ。ユーザーはスマートフォン、医師はパソコンを使ってビデオ通話を行う

ビデオ通話で医師の診察、投薬は郵送で

 「テレメディーズ®BP」を利用するには、スマートフォンで専用のアプリをダウンロードする必要があります(ios、androidに対応)。このアプリ上で、「血圧のモニタリング」「高血圧に関するオンライン診療」「降圧薬の処方」といったサービスを有料で受けることができます。かかるコストは、アプリ利用、オンライン診療、薬の代金などすべて込みの月額制で、投薬がある場合は月額4,600円から(保険外診療)。なお、利用前には健康上の審査があり、糖尿病の人などは利用できません。

 ユーザーには通信機能付きの血圧計が無料貸与され、ユーザー自身が測定したデータは、アプリ上で記録・蓄積されます。テレメディーズの高血圧専門医による指導監督のもと、蓄積されたモニタリングデータを参照しながらオンライン診療が行われます。

 オンライン診療は、スマートフォンを利用したビデオ通話を通じて行います。1度のオンライン診療にかかる時間は3~5分。医師の服薬指導を受けた場合、降圧薬などの薬は郵送で自宅に届きます。なお、初診および年1回は対面診療となりますが、往診も可能です。

テレメディーズ®BPで使用するオムロンヘルスケア社の血圧計と、アプリ画面。血圧計は今年末まで無料貸し出しされる(写真はテレメディーズ提供)

 東京女子医大などが2016年から実施した共同研究によると、48人の高血圧患者に「テレメディーズRBP」と同様のオンライン診療を1年間継続したところ、患者が自宅で測った血圧(家庭血圧)の平均は、試験前の136/91mmHgから試験後の125/83mmHgに改善したとされています。

 当面の想定ユーザーは、40~50歳代の現役世代。谷田部さんによると、高血圧治療に特化したオンライン診療は国内初です。「オンライン診療を不安に感じる人もいるかと思いますが、厚生労働省のオンライン診療の実施指針にも基づいた安全性の高いサービスで、高血圧改善につながることも研究で示されています。これまで治療を敬遠していた方にもぜひ利用して重大な病気を予防していただきたい」(谷田部さん)。

「サイレントキラー」に向き合う

 この4月、日本高血圧学会は高血圧治療の指針を5年ぶりに改定しました。

 指針では新たに、脳卒中や心筋梗塞などを予防するための「降圧目標」を定めました。75歳未満の成人で「収縮期血圧130mmHg/拡張期血圧80mmHg未満」です。高血圧治療を始める目安となる「診断基準」は「140mmHg/90mmHg以上」で従来と変わりませんが、より血圧を下げたほうが様々な病気のリスクを減らせるとの考え方を示しました。

 忍び寄るように体をむしばんでいくことから、高血圧などの生活習慣病は「サイレントキラー」とも呼ばれています。長く健康でいるためにも、高血圧を感じている人は治療や生活改善をはじめてはいかがでしょう。

自測自健とは

自分の体の状態を自分で測る。健康を保つための新習慣を考える

健康状態を知るためには、血圧や体重、体脂肪率など、さまざまなデータを測ること。
しかも、人間ドックや健康診断の時ではなく、毎日「自分で測る」ことが大切です。

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