「自測自健(じそくじけん)」のススメ

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健康診断結果から自分の健康を正しく把握する2つのポイント

 健康診断は、健康状態を細かく数値化することで、病気の危険性や生活習慣にかかわる問題を発見しやすくしています。血糖値やコレステロールなど、普段の生活習慣が現れやすい項目はもちろん、異常が見つかった項目には細心の注意が必要です。ここでは、健康診断の結果から健康を判断するためのポイント、各項目の見方などを詳しく紹介しています。

監修者プロフィール

伊藤メディカルクリニック院長
伊藤 幹彦 先生

東京医科大学卒業後、東京医科大学第2外科(心臓血管外科)入局。東京医科大学八王子医療センター心臓血管外科や東京警察病院外科医長などを経歴し、現在は伊藤メディカルクリニックの院長を務める。これまでの術者としての経験をもとに、全身管理の大切さをモットーとし、健康維持への貢献を目指している。

 健康診断では血液や視力など、体の健康にかかわる項目を数値化し、健康面に不安がある部分や異常が起きている箇所をチェックします。結果を通知されたら、指示にしたがって再検査や治療にあたることが大切です。

 ここでは、健康診断の2つのポイントや、数値の読み方について紹介します。

ポイント1.検査結果にしたがう

 健康診断の結果は、その時の自分自身の健康状態を示すもの。「要精密検査」などと診断された場合は、3ヵ月以内に専門医の意見を聞かなければなりません。万が一業務に支障をきたす可能性があれば、その旨をさらに事業者に伝えます。

 職場に産業医が配置されていれば、意見を聞いて判断することになります。産業医がいない場合は地域の産業保健センターの相談窓口や、かかりつけ医などに判断を仰ぎましょう。

ポイント2.診断結果を確認する

 すべての診断項目は、数値化されて分かりやすく表示されています。数値を見て、自分が基準値からどの程度離れているか、何が問題になっているかを把握しましょう。検査項目の内容については次で詳しく紹介しています。

健康診断結果の見方

 公益社団法人日本人間ドック学会が公表している「検査表の見方」によると、各種数値の基準は以下の通りとなります。

・BMI(単位:kg/㎡)
体格指数(BMI)はいわゆる肥満度を判断するための数値で、身長に見合った体重かどうか、脂肪が付きすぎていないかを判定します。体重(kg)÷【身長(m)✕身長(m)】で算出されます。

  要注意 基準範囲 要注意
BMI 18.4以下(低体重) 18.5~24.9 25.0以上(肥満)

・腹囲(単位:cm)
腹囲は、肥満に加えて「メタボリックシンドローム」であるかを判定する値です。

  基準範囲 異常
男性 84.9以下 85.0以上
女性 89.9以下 90.0以上

・血圧(単位:mmHg)
血圧は心臓機能が正常に働いているかをみながら、高血圧・低血圧の状況もチェックするものです。

  基準範囲 要注意 異常
収縮期血圧 129以下 130〜159 160以上
拡張期血圧 84以下 85~99 100以上

 収縮期血圧はいわゆる「最高血圧」。129以下が基準範囲で、130~159は要注意となります。160を超えると異常と判断されます。拡張期血圧は「最低血圧」。84以下が基準範囲で、85~99は要注意、100以上で異常と判断されます。

・視力

基準範囲 要注意 異常
1.0以上 0.7-0.9 0.6以下

・聴力(単位:dB)
聴力は1,000Hzの低い音と4,000Hzの高い音のそれぞれについて、30dB以下の音が聴こえれば正常値。35dBで要注意、40dBで異常となります。

  基準範囲 要注意 異常
1,000Hz 30dB以下 35dB 40dB以上
4,000Hz 30dB以下 35dB 40dB以上

・総蛋白(単位:g/dL)
血液中の総蛋白の量を表します。数値が低すぎるとがんや栄養障害などが疑われ、高い場合は慢性炎症や脱水などの症状が考えられます。

異常 要注意 基準範囲 要注意 異常
6.1以下 6.2~6.4 6.5~7.9 8.0~8.3 8.4以上

・AST(GOT)・ALT(GPT) (単位:U/L)

 AST(GOT)は肝臓や心臓、筋肉にたくさん存在する酵素です。一方、ALT(GPT)は肝臓に特に多い酵素です。

 それぞれ数値が30以下で基準範囲とされ、31~50で要注意。51以上で肝炎や脂肪肝、肝臓がん、アルコール性肝炎などを疑います。ただしAST(GOT)のみが高い場合は心筋梗塞や筋肉の疾患を疑います。

  基準範囲 要注意 異常
AST(GOT) 30以下 31~50 51以上
ALT(GPT) 30以下 31~50 51以上

・γ-GTP(単位:U/L)
γ-GTPは肝臓などに異常がある場合に数値が高くなります。アルコール性肝機能障害や慢性肝炎などを判断するのに役立ちます。

基準範囲 要注意 異常
50以下 51~100 101以上

・クレアチニン(単位:mg/dL)
クレアチニンはアミノ酸の一種が代謝された後の老廃物で、腎臓でろ過されて外に排出されます。数値が高いと腎臓機能が正常に働いていない可能性があります。

  基準範囲 要注意 異常
男性 1.00以下 1.01-1.29 1.30以上
女性 0.70以下 0.71-0.99 1.00以上

・尿酸(mg/dL)
尿酸は、蛋白質の一種であるプリン体が代謝された後の老廃物です。尿酸が正しく作られて排出されているかをみる数値で、高ければ高尿酸血症として痛風の原因となります。

要注意 基準範囲 要注意 異常
2.0以下 2.1~7.0 7.1~8.9 9.0以上

・HDLコレステロール(単位:mg/dL)
HDLコレステロールはいわゆる善玉コレステロールと呼ばれるものです。血液中にある悪玉コレステロールを回収するもので、数値が低いと動脈硬化の危険性が出てきます。

異常 要注意 基準範囲
34以下 35~39 40以上

・LDLコレステロール(単位:mg/dL)
LDLコレステロールは悪玉コレステロールとも呼ばれるもので、多すぎると血管壁に脂質が蓄積して動脈硬化を起こすリスクが高まります。

要注意 基準範囲 要注意 異常
59以下 60~119 120~179 180以上

・中性脂肪(単位:mg/dL)
中性脂肪は糖質がエネルギーとなり脂肪に変化したものです。数値が高いと動脈硬化が進行していきます。

要注意 基準範囲 要注意 異常
29以下 30~149 150~499 500以上

・血糖値(単位:mg/dL)
血糖値は血液中のブドウ糖の割合です。糖が正しくエネルギーとして使われているかを見るもので、数値が高いと糖尿病やホルモン異常の可能性があります。

基準範囲 要注意 異常
99以下 100-125 126以上

・HbA1c(単位:%)
HbA1c(ヘモグロビン・エーワン・シー)は過去1、2ヵ月の血糖の平均的な状態を示すものです。空腹時血糖が126mg/dL以上、HbA1cが6.5%以上で糖尿病と考えられます。

基準範囲 要注意 異常
5.5以下 5.6~6.4 6.5以上

・尿糖
尿検査でも糖が出ているかどうかをみます。基準値であれば陰性と表示され、再検査や異常と表示されている場合は再検査・治療がそれぞれ必要になります。

基準値 再検査
陰性(-) (±)以上

・尿蛋白
腎臓の障害によって、尿蛋白の量も増えます。腎炎や糖尿病性腎症が疑われます。

基準値 再検査 異常
陰性(-) (±)(+) (2+以上)

・便潜血
便潜血は便に血液が混ざった状態です。陽性になると消化管の出血をともなう病気や痔が疑われます。

異常なし 異常
2回とも(-) 1回でも(+)

健康診断の結果を受け入れ、生活改善をしよう

 健康診断の結果は、自分の身体の状態を数値として表したもの。問題点を知っておけば、その後の健康づくりにも役立ちます。今回紹介したポイントを参考に、まずは健康診断の結果から自身の健康状態を正しく把握しましょう。健康診断の結果は医療機関によって少し違いがあるので、注意が必要です。安易に他人の結果と比較して、一喜一憂しないようにしましょう。

 例え現状の結果が思わしくなくても、食生活の改善や適度な運動を取り入れるなど日々努力を行っていけば、健康状態も改善していくでしょう。

自測自健とは

自分の体の状態を自分で測る。健康を保つための新習慣を考える

健康状態を知るためには、血圧や体重、体脂肪率など、さまざまなデータを測ること。
しかも、人間ドックや健康診断の時ではなく、毎日「自分で測る」ことが大切です。

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