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低血圧の人が注意したい2つの病気と病気にならないための対処法

 低血圧になると、様々な病気を引き起こす可能性があることをご存知でしょうか。低血圧は、めまいや立ちくらみ、気持ち悪い、倦怠感などの症状がありますが、さらなる重大な「病気」を引き起こすリスクもあります。この記事では、低血圧になるとどんな病気になりやすいのか、そして低血圧による病気のリスクを減らす対処法などを詳しくご説明します。

監修者プロフィール

伊藤メディカルクリニック院長
伊藤 幹彦 先生

東京医科大学卒業後、東京医科大学第2外科(心臓血管外科)入局。東京医科大学八王子医療センター心臓血管外科や東京警察病院外科医長などを経歴し、現在は伊藤メディカルクリニックの院長を務める。これまでの術者としての経験をもとに、全身管理の大切さをモットーとし、健康維持への貢献を目指している。

 低血圧による「めまい・立ちくらみ・倦怠感」などの症状は、生活習慣を見直すことで改善ができます。そこで、低血圧の人がなりやすい病気と、対処法をご紹介します。まずは低血圧になる原因とは一体何でしょうか。

低血圧になる4つの原因

 低血圧は、日常的な生活習慣の乱れや食事がリスクになる可能性があります。これから具体的にそのリスク要因を4つご紹介します。

・過度なダイエット
過度なダイエットをすると低血圧になる可能性があります。例えば、食事を抜いたり、無理な運動をしたりすることです。特に食事を抜く極端なダイエットを続けると、必要なエネルギーを体脂肪に変換しやすい体質になり、却って逆効果です。栄養が不足すると、結果的には血液のめぐりが悪くなり、自律神経も乱れ、低血圧状態に陥ることもあります。

・脱水状態
脱水状態では、細胞外液の水分が浸透圧で細胞内に引き込まれ、血液のめぐりが悪くなります。血液の量が少なくなり、低血圧を起こすことがあります。脱水は意識障害・不整脈なども引き起こすので、高齢者の方、また夏場はくれぐれも注意してください。

・腎臓病
腎臓の疾患があると、血液量が減ってしまうので低血圧になるケースが増えます。

・神経の病気「自律神経性ニューロパチー」
脳から血管や心臓などに信号を送る神経が破損する「自律神経性ニューロパチー」という病気があります。発症による一般的な症状に、低血圧や胃不全麻痺、便秘といったものが挙げられます。

低血圧の人がなりやすい病気とは?

 低血圧になると、様々な病気を発症する可能性があります。具体的にどのような病気が潜んでいるのでしょうか。

・狭心症
低血圧から狭心症を発症する可能性があります。心臓の筋肉が必要としている「酸素」の量と、実際に心臓に送られる量に不均等が起こるとき、狭心症が発症します。低血圧になると、心臓に血液や酸素が行き届きにくくなるので、狭心症になるリスクが増えるのです。

・脳梗塞
「食後低血圧」という一過性の低血圧症状があり、高齢者の3人に1人がこの低血圧を発症すると言われています。「食後低血圧」を発症し、そのまま「一過性脳虚血発作(TIA)」を発症して、脳梗塞を引き起こすケースもあります。

 「一過性脳虚血発作(TIA)」には、脳の一部の血流が一時的に悪くなり、半身の運動麻痺などの症状が出て、24時間以内には完全に症状が消滅するという特徴があります。しかし、このようなケースで脳梗塞になる人がいるので、注意が必要です。

低血圧による病気のリスクを軽減させる方法

 低血圧による恐ろしい病気のリスクを減らすには、どのような手段があるのでしょうか。その改善策についてご説明します。

・食事を見直す

 低血圧を改善するには、食事の見直しが重要なポイントとなります。低血圧の人が摂取すべきおすすめの食材はこちらです。

水分
低血圧の人が水分を摂取すると、血液の量を増やすことができ、血流を促進させることができます。1日に1~2リットルの水分を何回かに分けて飲むようにしましょう。また、食事をとる時には必ず一緒に水分を摂取することを心がけてください。

塩分
厚生労働省によると、健康的な日本人の成人男性が1日あたりにとる食塩摂取量は8g未満、成人女性は7g未満とされています。塩分には、血管を広げる作用や体温を上げる作用があり、この2つの作用によって血流がスムーズになり、低血圧を改善することができます。摂取量が多すぎると健康によくありませんが、摂取量が少なすぎると血流が悪くなってしまい、低血圧が悪化する可能性があるので注意しましょう。

 では、その他にどのような食べ物が効果的なのでしょうか。

肉類
肉類には良質なタンパク質が含まれているので、積極的に摂取しましょう。タンパク質は血管を丈夫にするなど低血圧の改善につながります。その中でも「豚肉」にはビタミンB1が豊富に含まれているので、おすすめです。お肉が苦手な人は「大豆製品」からタンパク質を摂取しましょう。

魚類
魚類には良質なタンパク質が豊富に含まれています。特に白身魚は高タンパク質・低脂肪です。また、赤身魚は高タンパク質でヘモグロビンなど血色素を豊富に含んでおり、血色素が血液の元になるのでおすすめです。

乳製品
牛乳、ヨーグルトなどの乳製品には血液の成分となるミネラルが豊富なので摂取しましょう。ミネラルは摂取不足が続いても、逆に摂取超過が続いてもよくありません。朝昼夕の3食をきちんと摂り、好き嫌いなくいろいろな食品を食べることが栄養的にバランスのとれた食生活につながります。

果物・野菜
緑黄色野菜や淡色野菜にはミネラルがたっぷり含まれています。果物であれば、柑橘類にビタミンが豊富に含まれているので積極的に摂取しましょう。

・運動で血流を促進させる

 血流を促進させて低血圧を予防・改善するには、適度な運動がおすすめです。簡単にできる運動ばかりなので、試してみましょう。

ストレッチや筋トレ
ふくらはぎや下半身のストレッチや筋トレをすると、血流が促進されて低血圧を改善することができます。血流が悪いことで体が冷え、風邪をひきやすくなったり、肩こりがひどくなったりと、体調を崩しがちになってしまいます。自宅で簡単にできるもので構わないので、毎日少しずつ継続できるように心がけましょう。

有酸素運動
ウォーキング、ジョギング、水泳などの有酸素運動をすると、酸素が血液に行き届き、血流が良くなります。有酸素運動は一時的にやるだけでは意味が無く、毎日少しずつでもいいので継続することに意味があります。最初は無理をしないように、徐々に距離や時間を増やすなど計画を立てて運動をスタートさせましょう。

低血圧を放置して病気にならないように心がけよう

 低血圧を放置すると、命に関わるような危険な病気にかかるリスクが高まります。放っておくと心臓疾患・内分泌系器官疾患・自律神経失調症といった他の疾患にかかる可能性があります。いつまでも健康な体でいられるように、低血圧を改善する方法を実践して、日々元気に過ごせるように心がけましょう。

自測自健とは

自分の体の状態を自分で測る。健康を保つための新習慣を考える

健康状態を知るためには、血圧や体重、体脂肪率など、さまざまなデータを測ること。
しかも、人間ドックや健康診断の時ではなく、毎日「自分で測る」ことが大切です。

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